論文


(2005.9月号)
くいだおれの町、大阪へ
特別決議国民に大増税を押し付ける税制「改革」に反対する
特集第41回大阪全国研究集会・速報
くいだおれの町、大阪へ
編集部:高橋泰子・平井智子
税経新人会全国協議会の第41回全国研究集会が、大会史上最高の381人の参加者を迎え、大阪税経新人会の企画により、9月3日・4日の両日開催されました。大阪のど真ん中、名門ホテルでの充実した研修と懇親会の様子をお知らせします。
【第1日(9月3日)】
分科会
分科会は、都ホテルで5分科会、たかつガーデンで3分科会の合計8分科会と最近の全国研究集会ではもっとも多い分科会でした。
東京会 「会計参与制度を検証する」
大阪会 「実録『今津事件』
埼玉会 「滞納処分」
神戸会 「NPO法人の税務・会計」
名古屋会 「所得税法第56条を斬る」
神奈川会 「民法と税法の接点」
千葉会 「10年後の税理士業務」
全国会 「岐路に立つ社会福祉法人の経営」

12時から続々と全国の新人会の会員が都ホテルに集結し、8分科会の会場へと分かれました。1時から5時まで各会場では、分科会報告担当者の数ヶ月間の研究成果の発表と参加者の鋭い質問や意見の応酬で、あっという間の4時間でした(各分科会の報告は税経新報10月号に掲載します)。
懇親会
懇親会の会場は都ホテル、浪速の間。37卓もあり隅から隅を見渡すのも大変と云うほどの広い会場です。オープニングは、昔懐かしいちんどん屋!(今もあるのかしら、東京ではあまり見かけませんが。)大阪税経新人会の佐飛淳一会長の挨拶、新国信全国協議会理事長の開会の挨拶、来賓として、近畿青年税理士連盟・松浦代表幹事、近畿青年税理士連盟・植木大阪支部長、北野弘久日本大学名誉教授、全国税労組近畿地連・久保委員長が紹介され、三木義一立命館大学法科大学院教授、全国青税の石井孝雄会長の挨拶の後、青いハッピを着た大阪会のお姉さん(伊藤幸子大阪会副会長)が登場し、威勢の良い乾杯の挨拶で始まりました。

会場には、お好み焼き・たこ焼き・おでん・うどん・にぎり寿司の屋台が並びフルーツにケーキ、美味しい物が沢山!私(編集部平井)もたこ焼きの屋台目指して一目散でした(さすが大阪、たこ焼き、お好み焼きがとても美味しかった!)。各テーブルで歓談が始まり懐かしい顔ぶれに皆さんの顔も綻んでいました。

喉の渇きとお腹も満足し始めた頃、各地域会の紹介が、沖縄会をかわきりに、寸劇あり、人形劇あり、と皆さんのパフォーマンスで大いに盛り上がりました。最後に青いハッピを着た大阪会の人達が河内音頭を踊り始め、テーブルにいた会員達も次々と席を離れ、輪の中に入って見よう見まねで踊り始めました。お囃子が続いていたら夜中まで踊っているのではと思うほど、大きな会場に大きな輪を作り皆さん楽しく踊っていました。宴も酣(たけなわ)ですが、ここで、大阪会の辻正夫実行委員会事務局長の閉会の挨拶と木下雅博会員の大阪締めで楽しい宴会も終わりました。

懇親会終了後は、くるま座交流会がホテル21階のトップ・オブ・ミヤコで「本坊事件のつどい」が開かれ、たくさんの出席者がありました。他人事ではない本坊事件に多くの関心が寄せられました。その他の方々は、ここは大阪のど真ん中、キタにミナミに繰り出して遅くまで大阪の夜を楽しんだようです。
【第2日(9月4日)】
記念講演
昨日の懇親会会場の半分を使い、9時から前大阪城天守閣館長・渡辺武氏の「エピソードでつづる大阪城の虚実」と題する記念講演がありました。大阪城といったら豊臣秀吉ですが、秀頼の首の話や太閤埋蔵金、秀吉朱印状の珍品発見等、現在は歴史の上に成り立っている、当たり前ですが。初めて聞く話ばかりでとても新鮮でした。歴史を紐解くのも面白いですね。
全体会
清家裕副理事長の開会の挨拶から始まった全体会は、続いて新国信全国協議会理事長が挨拶し、そこで、増税路線、税務援助、会社法の改正に伴う会計参与、憲法改正、各地域会の拡大強化の問題等を話されました。また亡くなられた牛島会員の奥様から、遺言により税経新報への寄付の申し出があったこと、牛島記念賞のようなものを作り、新報に掲載された論文から相応しいものに贈る賞金にこの寄付金を当てたいというお話がありました。

清家裕副理事長の司会で、山本友晴副理事長と神戸会の西田啓治会員が座長団に選出され、全体会が進められました。発言の主な内容は次の通りです。
伊藤 清 会員(千葉会) 「2005年度方針に対する意見」
立石 由紀男 会員(神戸会) 「組織拡大について」
濱田 在人 会員(神戸会) 「税制改革に対する意見」
飯島 健夫 会員(東京会) 「税務行政について」
これらの発言に対して、新国理事長より総括の所見が述べられました(発言の要旨は税経新報10月号に掲載します)。

次に埼玉会の菅谷英雄会員より「国民に大増税を押し付ける税制『改革』に反対する」特別決議(別掲)が読み上げられ、拍手により満場一致で採択されました。

新旧役員紹介では、新役員として
理事長 平石 共子 会員(東京会)
副理事長 清家 裕 会員(大阪会)
山本 友晴 会員(九州会)
西田 啓治 会員(神戸会)
事務局長 佐伯 正隆 会員(東京会) 
が就任されました。

新国信理事長と国岡清副理事長が退任されました。

平石共子新理事長の就任挨拶は、初めての女性理事長で年齢も若くこれからの税経新人会を今までの長い伝統を引き継いだ上で、新しいものに作り上げていきたいといった力強いものでした。

国岡前副理事長の退任の挨拶の後、新国前理事長の退任の挨拶では11年間の事務局長、理事長時代の思い出の話で、聞いていた会員もほろりとした場面もありました。

北野弘久日本大学名誉教授の来賓挨拶では、憲法9条2項という日本が世界に誇る平和憲法を守るためにも、税制改悪に反対すべきと語られました。

税経新報表彰は中国会の金巨功会員の「『農地等の納税猶予』逆転の発想で事なきを得る?」と東京会の米澤達治会員の「未払役員報酬に係る所得税法64条第1項の適用」と「低廉な地代家賃を同族会社より収受した場合の不動産取得と損益通算」が受賞しました(選考経過と表彰状は別掲)。

最後に、来年の全国研の開催地、埼玉会のパフォーマンスで大阪会から埼玉会へバトンタッチがなされ、来年の浦和での再会を誓い、西田啓治副理事長の閉会挨拶で第41回大阪全国研究集会は閉幕しました。

▲上に戻る