(2004.9月号)
常陸野(ひたちの)霞ヶ浦のほとりで
特別決議憲法に基づく国民の諸権利を擁護しよう
要綱案第二次案に見る新会社法制のルール


特集第40回常陸野全国研究集会・速報
常陸野(ひたちの)霞ヶ浦のほとりで
恒例の税経新人会全国協議会の全国研究集会が常陸野で開催された。今年の夏はとりわけ暑く、新潟や福井では集中豪雨の被害も報告されるほどの異常気象であった。幸い、8月21日、22日の茨城県土浦は、その様な猛暑から久々に開放され、天候に恵まれた。この日、全国から310名の参加があった。
【第1日(8月21日)】
分科会
分科会は、日本第二の広さの湖、霞ヶ浦のほとりに立つ霞ヶ浦観光ホテルを会場にして開催された。担当会とテーマは次のとおりである。
埼玉会 「社会福祉法人の実務」
東京会 「税制問題の検証」
神奈川会 「民法と税法の接点」
大阪会 「消費税施行15年」
神戸会 「証券税制における中小企業の立場」
1時から5時まで各会場では熱心な報告と討論が繰り広げられた。また、全会場で『税経新報』7、8月号に掲載されたテキストの他に、追加資料が配布された。当日の模様はいずれ各分科会担当者から「分科会報告」として、税経新報に掲載されるので、詳しくはそちらを参照していただきたい。
懇親会
引き続き、同じ霞ヶ浦観光ホテルで懇親会が始まるのは6時からであった。そのため、参加者によっては、宿泊施設が同ホテルならよいが、近隣の「ホテルマロウド筑波」「土浦京成ホテル」「ビジネス旅館美波」と分散しているところから、各宿泊先にチェックインを済ませて、再び霞ヶ浦観光ホテルに戻るという忙しい思いをした。

ともあれ、定刻どおり主催者茨城税経新人会高橋一人会長の開会挨拶が始まった。少ない会員数で、よくぞここまでたどり着いたと、並々ならぬ苦労がしのばれる。続いて地元茨城県商工団体連合会を代表して吉井孝二氏が歓迎の挨拶をされた。来賓として北野弘久日本大学名誉教授が紹介され、橋本昌茨城県知事と中川清土浦市長のメッセージが朗読された。新国信全国協議会理事長が「一年ぶりの旧交を温めてください」と乾杯発声して懇親が始まった。

アトラクションとして、キングレコード専属歌手の高橋和代氏と同渡邊浩一氏との歌謡ショーが催された。その後各テーブルごとに陣取っている各地域会が、それぞれ簡単に紹介されたが、発足したばかりの中国会の参加者にはひときわ盛大な拍手がよせられた。宴もたけなわ、茨城農民連の「ヒューマン・ファーマーズ」が自作の「税務調査エレジー」とか「ここに生まれた者だから」等をバンド演奏した。久々に会い、楽しく歓談する時間はあっという間に過ぎる。

最後に平石共子全国事務局長が今回の茨城会に謝辞を述べ、次回担当の大阪会に準備万端を依頼した。懇親会閉会後は、宿泊先のホテルに引き上げ二次会に繰り出す会員もいた。折しも、この日は、NHKで「冬のソナタ」最終回が放送される日と重なった。深夜のホテルのテレビで「ヨンさま」と向き合った女性会員もいたかもしれない。
【第2日(8月22日)】
記念講演
JR土浦駅に近い、県南生涯学習センターで9時より歴史研究家(新日本歌人協会副代表幹事)奈良達雄氏の「平和と社会進歩をめざした茨城の文学者たち」と題する記念講演があった。「船頭小唄」で知られる野口雨情は、日露戦争に反対し、社会進歩への思いを込めた作品を生んだ。農民文学「土」で知られる長塚節は自由民権運動のなかで育っていった。高田保は「蟹工船」の脚色などプロレタリア劇作家として活躍した。若杉鳥子は、治安維持法犠牲者救援活動と廃娼運動に関わる作品を残した。上野壮夫は、中国侵略に反対し、労働者農民の運動、国際友好運動と切り結んで詩作した。以上、茨城ゆかりの文学者達の平和や社会進歩をめざした足跡と作品が紹介され参加者に大きな感銘を与えた。
全体会
平石共子事務局長が開会挨拶し、始まった。冒頭、冤罪で37年間、裁判闘争している布川事件の元被告と弁護人より支援要請の特別訴えがあった。次に、新国信全国協議会理事長が挨拶し、東京会の佐伯正隆会員と九州会の山本友晴会員とが議長に選任され討論に入った。
日坂隆会員(中国会) 「中国税経新人会発足の状況」
本川国雄会員(東京会) 「税務行政の現状」
国岡清会員(神戸会) 「会計参与について」
伊藤清会員(千葉会) 「憲法改定反対と税政連」
討論を受けて新国理事長の総括発言があった。これら発言の詳細はいずれ本誌に載るのでそちらに譲ることとする。「憲法に基づく国民の諸権利を擁護しよう」という特別決議案が大阪会の竹内克謹会員により朗読され、満場一致で採択された。

新旧役員紹介では、新役員として、
理事長 新国信会員
副理事長 国岡清会員
清家裕会員
佐伯正隆会員
山本友晴会員
事務局長 平石共子会員
が就任され、西田富一会員が副理事長を退任された。

北野弘久日大名誉教授の来賓挨拶では、今、アテネで行われているオリンピックで日本の若者の活躍に真実があることに感動され、憲法の応能負担原則にこそ真実があることを永年の学識経験から語られた。
税経新報の表彰は、いずれも神戸会の高橋敬会員「同業者率を用いた推計課税と裁判上の立証問題」と松本茂郎会員「借地権課税の解税と批判」が受賞された。

あわただしい最後になったが、壇上で茨城会の古徳正義事務局長から大阪会の辻正夫事務局長にバトンタッチがなされ、来年の大阪での再会を誓い合った。
清家裕副理事長の閉会挨拶で第40回常陸野全国研究集会は閉幕した。
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税経新人会全国協議会