0、はじめに
関信会の分科会は「最強の税務調査対策」と銘打って、現行法でもここまでできる調査対策の検討をします。
このテーマを見て「関信会ごときが『最強』とは不届き千万」と思われた方や腕に自信のある方はぜひおいでください。
私たちはこの内容が「最強」と考えていますが、さらにすごい対策があれば素直に取り入れさせていただき、さらに「最強」にしていきたいと思っています。
もちろん調査初心者の方も大歓迎です。
当日は、情報公開により入手した内部資料も公開します。その内部資料に法令、実践例を結びつけて検討をすすめます。
この文章中「◎」がついているものは税務署の内部資料です。その他に入手した調査関連資料とともに当日配布する予定です。
関信会が考える最強の調査対策はずばり、「★★★」(当日公表)です。
関信会では、数年にわたり一般におこなわれている「元国税調査官が語る・・」などの税務調査対策講座をいくつか受講してきました。
なるべく税務署に対して強気そうなものを選んで受講したつもりですが、「★★★」について触れていたのは2つだけでした。他には「調査官が疑問に思いそうな事項はその根拠や計算過程を申告書に細かく記載しなさい」といったものや調査官の機嫌のとり方を延々と説明した講座もあり閉口してしまいました。
関信会では「★★★」を、理論と実践にもとづいて進化させてきました。その意味で「最強」といえるのではないかと思います。
ある税務調査対策講座のキャッチフレーズに「あなたは税理士法1条を言い訳に関与先を泣かせていませんか?」というのがありました。また税務訴訟を専門におこなうある弁護士の講座では「税務調査の約90%は適法・適正に行われているが、約10%は違法なもの」であると指摘しています。
税理士法1条でいうところの「独立した公正な立場」とはどんな立場かもいっしょに考えられたらとおもいます。
この分科会に参加される方は、税経新報のこの号と2009年12月号、2010年2月号をお持ちください。 |
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1、税務調査の傾向(税経新報2月号参照)
調査件数は増加
調査件数が増えた分だけ是認が増える
展望が望めない事案は早期に打ち切り
調査官の負担増
強権的調査、赤字調査が増える可能性も |
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2、税務調査の選定基準と方法(「法人課税事務提要」◎より)
(1)KSKによる粗選定
数値の異常変化 同業者比較(所得率) 特別損益
(2)KSKで選定された中から統括官が選定
留意事項 調査対象に選定されないためには
(3)準備調査 統括官が指令することによりおこなう
(4)準備調査の決裁
調査をするかしないか する場合には調査手法の決定と所要日数の見積もり
(5)実地調査
統括官が前月末に指令
事前通知(行わない場合)
(6)復命及び指示
調査の進展がのぞめない事案 早期に調査の打ち切りの指示
(7)修正申告のしょうよう |
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3、税務調査でどこを見るか
準備調査は準備書面◎(法人用、個人用)に記入して検討している
選定理由がある
個人は、比率による検討、未掌握預金や未掌握取引、連絡せんなどが重点
法人は、申告内容の推移から不正計算や問題点を想定 |
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4、調査立会いの方法
電話連絡(電話対応マニュアル当日配布)
日程
☆☆☆(当日公表)
立会い方法
調査理由の開示
コピー、持ち帰り(税経新報12月号参照)
修正申告のしょうよう |
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5、請願書の活用 |
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6、反面調査 |
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7、実践報告
調査理由を明確にし、税務調査は1日ないし半日で終わらせる
事前通知なくおこなわれた税務調査は無効 |
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8、参考条文
憲法29条【財産権の保障】
1 財産権は、これを侵してはならない。
憲法30条【納税の義務】
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
国税通則法16条
1 一 申告納税方式
納付すべき税額が納税者のする申告により確定することを原則とし、その申告がない場合又は・・当該税額が税務署長・・の調査したところと異なる場合に限り、税務署長・・の処分により確定する方式をいう。
法人税法153条(所得税法234条、消費税法62条、印紙税法21条、相続税法60条に同様の規定)
1 ・・・所轄税務署・・の当該職員は、法人税に関する調査について必要があるときは、法人に質問し、又はその書類その他の物件を検査することができる。
国税徴収法141条
徴収職員は、滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、次に掲げる者に質問し、又はその者の財産に関する帳簿書類・・を検査することができる。・・・
国税犯則取締法1条(本文はカタカナ)
収税官吏は国税・・に関する犯則事件・・を調査する為必要あるときは犯則嫌疑者若参考人に対し質問し、・・検査し又は・・任に提出したる物を領置することを得
国税犯則取締法2条(本文はカタカナ)
収税官吏は犯則事件を調査する為必要あときは、・・地方裁判所又は簡易裁判所の裁判官の許可を得て臨検、捜索、又は差押を為すことを得
法人税法150条の2(所得税法231条の2に同様の規定)
2・・・所轄税務署・・の当該職員は、普通法人等の法人税に関する調査に際しては、前項の帳簿を検査するものとする。ただし、当該帳簿の検査を困難とする事情があるときは、この限りでない。
法人税法156条(所得税法234条、消費税法62条、印紙税法21条、相続税法60条に同様の規定)
・・・質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
法人税法157条(所得税法236条、消費税法62条、印紙税法21条、相続税法60条に同様の規定)
・・・税務署の当該職員は、・・・質問又は検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
憲法99条【憲法尊重擁護の義務】
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
憲法84条【課税の要件】
あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
憲法31条【法定手続きの保障】
何人も、法律の定める手続きによらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
憲法前文
・・・ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。・・・
憲法15条【公務員の選定罷免権、公務員の性質、・・・】
1 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。
憲法16条【請願権】
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。 |
以上 |