2.法人税率引き下げによるメリット
では、法人税率の引き下げにはどのようなメリットがあるか、この項では簡単にまとめて行きます。
< 積極的理由 >
法人税率を引き下げることにより、企業にとっては少なくとも二つのメリットがあると言われています。一つ目は法人税として外部流出する金額が減少する事による内部留保の増加、二つ目が再投資先としての国内投資へのインセンティブの向上です。二つのメリットがともに国内に対する設備投資増加による、国内GDP の増加に結びつきます。
また、家計にとっても、企業の内部留保が増加する事により、そこで働く人たちや株主に対する賃金や配当が増加し、これが消費につながり、やはり国内GDP の増加に結びつきます。
もちろん、法人税率引き下げによる税収減少というデメリットもありますが、先のGDPの増加による税収額アップと、タマゴが先かニワトリが先かの関係にあります。
< 消極的理由 >
このまま法人税率の引き下げが行われないと、日本国の企業が海外企業との国際競争に敗れる、もしくは、競争に敗れない為に海外に本社を移してしまいます。すると当該企業からの法人税収がダウンするのみならず、その子会社、関連会社、関係会社等が経営できなくなり、またそこで働く人たち全員の雇用の受け皿が無くなります。 |