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特集 第54回沖縄全国研究集会・速報
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辺野古基地 許すまじ〜移動分科会報告〜
神奈川会・東京会 嶋内 雅人
もう40年近く前の大学生のころ、受験勉強から解放された私は本を読み漁った。その中には「沖縄ノート」(岩波新書)と「観光コースでない沖縄」(高文研)とがあった。沖縄戦で多くの命が失われたこと、中には日本軍に強いられた死すらあったこと、そしてアメリカ軍が沖縄を占領するもとで沖縄に多くのアメリカ軍基地が押し付けられたことを、これらから知った。それからは、私なりに沖縄に心を寄せるようになった。

さて、辺野古である。現地で闘っている方たちは本当に尊い。私には連帯したい気持ちがあった。しかし、毎日・何年も闘っている方たちの前に、たまにやってきた自分が姿を現すなど自己満足に過ぎないのではないか、という疑念を消すことができずにいた。しかし、ある記事で、「そういう人たちが来てくれなくてどうするのですか」という声があるのを知り、辺野古に向かう決心がついた。

前置きが長くなった。全体会会場を出発したバスは、国道58 号を北上する。両側はアメリカ軍基地だらけではないか。しかも、向こう側が見渡せないくらい大きい。住宅だって、広く質が高い。当日は土曜日だったのでアメリカ軍は飛んではいなかったが、これだけでも「これが安保か」と感じるには十分だった。しかし、平日には、轟音を響かせてアメリカ軍機が飛ぶ。ときには墜落事故があり、アメリカ兵の犯罪だってある。悲しい。そして、怒りが沸き上がる。

現地に着く。サンゴが砕かれてできた赤みを帯びた細かい粒の砂、静かに寄せる浪、そして青空。美しい。行楽には絶好だ。本来ならば。写真の奥に、かすかではあるが白い堤防が見える。海を閉め切るためのものだ。まだ新しいゆえの白さが海を切り裂き、痛々しい。ここには普天間飛行場を代替するとの名目のもとに、恒久的な基地が作られようとしている。しかも、民意を踏みにじり、カネと暴力で屈服させようとしながら。

現地にいたのは、ほんの短い時間に過ぎない。しかし、辺野古基地許すまじの思いはより強くなった。

(しまうち・まさと)

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