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時潮
特集 第54回沖縄全国研究集会・速報
> 第54回沖縄全国研究集会報告
> 辺野古基地 許すまじ〜移動分科会報告〜
消費税率10%への引き上げの反対、複数税率及びインボイス制度導入の中止を求める決議
辺野古新基地建設を直ちに断念し、普天間基地の無条件撤去を求める決議
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第54回沖縄全国研究集会報告 分科会・懇親会・記念講演そして全体会
機関誌部 富岡 美也子(第1日目)
機関誌部 清野 智江(第2日目)
今年の全国研究集会は、17年ぶりにめんそーれ美ら島沖縄で9月14日15日の日程で開催されました。会場は、1日目2日目共に沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ(とまりん)で、1日目は13時から分科会、18時から懇親会が 、2日目は9時から記念講演、10時40分から全体会が行われました。

< 第1日目
東京の尋常でない暑さに慣れてしまったせいか、沖縄の暑さが気になりませんでした。会場となった沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ(通称とまりん)は、那覇空港からバスに乗ると30 分弱でバス停の目の前という便の良いところでした。

< 分科会
今年の全国研究集会は、7分科会と多くの分科会が開催されました。各分科会の内容は次の通りです。

東京会 「税務行政の将来像」を納税者の権利から検討する
大阪会 消費税 〜複数税率とインボイス〜
神戸会 固定資産税 〜固定資産税の現状と対応策〜
名古屋会 収益事業への課税 〜就労支援B型事務所への課税問題〜
埼玉会 ちょっと待った国税通則法 〜私たちは税理士としてどう生きるか〜
中国会 税理士業界におけるヒヤリ・ハット・インシデント報告
千葉会 大幅に拡充された事業承継税制の特例 - 知らないと税理士賠償問題にも・・・

分科会は、とまりんの6階7階、船員会館の2階に分かれて行われ、各分科会ではそれぞれ活発な意見交換がなされました。

< 懇親会
18時から沖縄会の阿部克巳さんのギターの弾き語りにより懇親会が始まり、高良沖縄税経新人会会長、土屋理事長両名の挨拶に続き、来賓の城間那覇市長、外間沖縄税理士会会長、前田全国青年税理士連盟会長より祝辞を賜りました。乾杯の音頭は沖縄税経新人会相談役の平石元理事長が行いました。

歓談の時間となり、うちなーむん(地元食材)を使った料理に舌鼓、ドリンクコーナーではたくさんの種類の泡盛で利き酒と気分は上々。「泡盛の女王」による泡盛の紹介もあり時間はどんどん過ぎていきました。

各会の紹介では、来年の開催地となる埼玉会から決意表明がありました。埼玉での開催は第42回から13年ぶりとなります。

閉会も近づいてきた頃、読谷村伊良皆青年会のみなさんによるエイサー演舞、カチャーシーにての盛り上がりは最高潮となりました。名残惜しいまま、下地沖縄税経新人会事務局長の挨拶により閉会となりました。沖縄会のみなさんに「いっぺーにふぇーでーびる!」
< 第2日目
< 記念講演
全国研2 日目は、沖縄かりゆしアーバンリゾートナハ6 階のニライカナイの間において、沖縄観光コンベンションビューロー会長である平良朝敬氏をお迎えし「沖縄経済と基地問題」と題した記念講演が行われました。

(1) はじめに
ホテルを中心とした企業グループを率いる平良朝敬氏は、経済人の立場から普天間基地の名護市辺野古への移設に反対している。「沖縄に駐留する米軍の大半は海兵隊。彼らが沖縄からいなくなれば基地問題のほとんどが解消される」と話す。

(2) 基地の地理的優位性
沖縄に何故基地があるのか、地理的優位性と言われている。しかし厳密に追っていくと沖縄でなくてもいいという部分が出てくる。森本敏元防衛大臣が大臣の離任会見で「日本の西半分のどこかで海兵空陸機、地上兵力、航空部隊、後方支援を一体運用できれば、沖縄でなくてもよい」「政治的に容認できるところが沖縄しかないので軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適の地域であるという結論になる」と話した。非常に素直な発言に驚いた。これで沖縄が抑止力、地理的優位性というのは完全に覆された。沖縄に基地が在るのは軍事的な理由ではなく、国内の政治問題ということです。政治家が物事を決めるわけですから、政治家が決断すれば全部問題は解決します。しかし政治家は沖縄が現実的だといって沖縄に押しつけているだけです。

(3) 観光は平和産業
辺野古の反対に行ったときに「観光は平和産業」であると言いました。平和がないところに観光はあり得ないわけで地域の安全が確保されないと安全・安心でなければ観光業とういのは成り立ちません。

(4) 基地返還と経済波及効果
那覇市に新都心という街があり米軍の住宅街でした。このときに土地代が52 億円でしたが現在の新都心は評価額で約14倍、雇用者は基地があった時の103倍になっている。それから北谷町はアメリカンビレッジと言われますが、土地代は3億円でしたが現在の評価は174倍となっている

沖縄の地理的優位性を軍事的優位性から経済的優位性に変えていきたい。基地は沖縄の経済発展の最大の阻害要因だとした。

また米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に触れ、例えば辺野古に新基地ではなく2千ルームのホテルができると、単純に計算して、間接雇用人数を含め、約2千人の雇用が生まれる。そうすると年間500億円の売り上げになる。ここを夢のある土地にできるとしている。

(5) 今後の展開
沖縄は観光立県の条件が整っている。世界観光の流れに順行していることや、地理的優位性を有すること、増加する人口のポテンシャル(潜在力)が沖縄観光の力となると分析した。さらに、県から半径3千キロ以内に約20 億人、4千キロ以内に約30 億人が居住しており、その全てが沖縄のマーケットになり得ると指摘した。

< 全体会
櫻木敦子副理事長の司会により全体会は開始しました。
土屋理事長から挨拶と2017年度活動報告がありました。詳細については税経新報8月号をご覧ください。

土屋理事長の挨拶は会員拡大については会員の増加があるものの会員の高齢化による廃業や死亡による自然減は避けられず一層の働きかけが重要とし、税経新報は宝の山だが原稿不足もあり会員の投稿をお願いしたい。最後に税政連問題は牛島税理士訴訟最高裁判決を踏まえ対応する必要があるとした。
会員からの発言は次のとおりです。

千葉会・黒川豊会員
会長就任の1か月の取り組みは千葉会のホームページで既存会員を大事にするとして会員専用のページを作成した。例会の日程、資料のダウンロード、18年間に取った写真、動画を掲載している。会員の皆様に喜んでもらい更に新規会員拡大にも繋げていきたい。

東京会・湖東京至会員
政府は消費税を10%に引き上げないと社会保障財源・教育関連の費用が捻出できないと言っているが、分析すると社会保障38兆円の財源はある。来年の参院選挙で野党が消費税率引き上げ廃止などを統一スローガンとして戦えば勝つことは可能だと思う。

北海道会・佐藤礼仁会員
皆様にご心配をかけていた北海道会ですが過去4年間定期総会を開催できず会費の徴収も停滞していました。しかし昨年6月に全国協議会主催の交流会が開催され、その後大幅な役員の世代交代をしました。今年7月にはようやく定期総会を開くことができ、6つの活動方針を掲げ進めていきます。

東京会・山崎哲会員
青年部の取り組みについての報告。ひとりぼっちの税理士をなくそうとのスローガンで活動している。税理士新規登録者にDMを送り10名〜30名の研修会への参加があり会員増に繋げている。250名の会員数を目指していく。

関信会・秋元照夫会員
今年5月に栃税政に対して訴訟を起こした。規約では税理士会の会員は自動的に税政連の会員となる。会費を支払わなければ未納会員となる。裁判で栃税政は会員ではないことを認めたため、訴えの利益はないとした。反論は税経新報10月号に掲載しましたのでお読みください。

大阪会・清家裕会員
昨年の6月に国税庁が税務行政のスマート化を発表し今年その取組の進捗を公表しているが今回東京会の分科会を聞いてよくわかった。これは申告納税の危機だ。課税資料を事前に集めて申告内容と突合してチェックしていくという10年後の将来がある。よく勉強して発信していく必要がある。

名古屋会・鷹巣辰也会員
会員拡大の話です。今年になり3名増やした。税理士会の支部の定例会に参加し支部の人と仲良くする。無料相談時に名刺交換し税経新報のコピーを見せて例会に誘っている。地道に目の前の人から勧誘していくことが大事。

大阪会・山本佐代子会員
疋田会長のもと組織再編を行い、研究部、組織部、財政部の3つの柱の下様々な活動を行っている。研究部は会員向けに判例研究、拡大実務研で会員以外にも呼びかける。職員向けの研修、よろず相談室も活発です。組織部は登録時研修時にチラシを配布している。
会場発言終了後は、下地寛一会員(沖縄会)が「辺野古新基地建設を直ちに断念し、普天間基地の無条件撤去を求める決議」、島田君子会員(埼玉会)が「消費税率10%への引き上げの反対、複数税率及びインボイス制度導入の中止を求める決議」を読み上げ満場一致の拍手により採択されました。
9月の理事会で決定した新役員が吉元事務局長から紹介されました。

理事長土屋信行 (関信会・2 期)
副理事長佐飛淳一(大阪会・3期)
米澤達治(東京会・3期)
相良博史(神戸会・2期)
櫻木敦子(東京会・2期)
事務局長吉元 伸(千葉会・7期)

三役を代表し土屋理事長より前期と同じ体制で活動をしていくと挨拶がありました。
次に税経新報の清野智江機関誌部長より新報表彰の発表があり、今年は秋元照夫会員「牛島税理士訴訟最高裁判決受け継ぐたたかい 関東信越税理士政治連盟会費徴収問題を問う」が受賞されました。

来年の第55回埼玉大会へのバトンタッチが沖縄会から埼玉会へと行われ、埼玉会の長谷川会員から来年是非埼玉でお会いしましょうと呼びかけがありました。最後に閉会の言葉が米澤達治副理事長よりあり、第54回の沖縄全国研究集会も無事に閉会となりました。

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