事例 「自殺、社保料取り立てが引き金」遺族、年金機構の対応を批判
山梨県 2010年11月29日
朝日新聞社 聞蔵ビジュアル より
63歳だった山梨市の会社社長の自殺の要因に、滞納した社会保険料の厳しい取り立てがあったと、遺族や知人が日本年金機構の対応を問題視している。経営状態の悪化が問題の根底にはあるものの、同機構からの財産差し押さえが主要取引先に通知され、事業継続ができなくなったことが大きいという。
10月25日に自宅で自殺しているのが発見されたのは、ビル管理や清掃、廃棄物の処理などを行っていたビルサービスの社長。遺族によれば、同社はリーマン・ショック後の景気悪化で仕事が激減。厚生年金保険料の事業主負担など月約50万円の社会保険料の納付が滞る状態になった。
滞納保険料額は約350万円に。年金事務所がそれまでの対応を転換、滞納保険料の分割払いを認めなくなり、「一括払い」を求め始めたという。5月には預金の差し押さえ処分が実施された。滞納状態はその後も続いたため、10月20日から県内の主要取引先や首都圏、宮城県の取引先からの支払いを差し押さえられる処分が始まった。取引先に通知され、事業継続が事実上不可能になった。 |