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II |
消費税の実務 |
(社会福祉法人の消費税) |
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はじめに |
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平成15年度税制改正において、免税事業者となる課税売上高の上限及び簡易課税制度を選択できる課税売上高の上限が大きく引き下げられたことにより、これまで免税事業者であった社会福祉法人が課税事業者となることか考えられます。
この改正は今年度より施行されており、今回社会福祉法人の実務に関する消費税の課税判定、計算方法等を検討してみました。 |
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収入区分 |
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資金収支計算書よりの総収入金額を区分しますと次のようになります。 |
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課税、非課税判定のポイント |
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社会福祉事業にかかる非課税規定は消費税法第6条別表1第7号イロハから検討し、必要に応じ政令、通達という流れになります。
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補助金事業と委託事業の区分について、消費税法上では委託収入は基本的に課税取引であり、補助金収入は不課税取引と異なることから適正に区分する必要があります。
委託事業と補助金事業の判定は、形式的な契約書及び交付要綱等に記載された呼称によってではなく、実態によって判定しなければなりません。具体的には、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の適用があるかどうかにより判定します。
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作業収入については授産施設におけるものと身体障害者更正施設等におけるものがあり、授産施設におけるものは消費税が課税され、身体障害者更生施設等におけるものは非課税となります。
クリーニングや食品製造等が授産事業として行われている場合と身体障害者更生施設等における作業訓練として行われている場合では同じ作業収入でも課否判定が異なります。
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公益事業や収益事業を営む場合は、公益事業については消費税法第6条別表1第7号ロの規定が直接的に適用されないので、同号ハの「社会福祉事業等として行われる資産の譲渡等に類するもの」に該当するか否かにより判定し、さらに補助金事業か委託事業かにより課否判定をします。
収益事業については、おおむね資産の譲渡等に該当すると考えられ、一般企業における判定と同様に課否判定をします。
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法人内消費(内部取引)については、その収支は対価ではなく費用の内部振替に過ぎず課税扱いにはなりません。 |
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