論文
【特集 税経新人会を強く大きく(税経新報編)】
> 税経新報の今日的役割
> 税経新報に期待すること
税経新人会、そして「税経新報」との出会い
東京会 中出  良
あけましておめでとうございます。
税理士登録をして2年経過した昨年、税経新人会に入会させていただきました。今では、毎月届く「税経新報」を隅から隅まで熟読することが毎月お決まりパターンになっています。
税経新人会に入会する前は、税理士会以外の組織や団体について何の知識も持っておらず、税経新人会のことも実は知りませんでした。当時はどこかの団体に入ろうとする考えがあまりなかったからです。
そのような私が入会時にもっと早くから税経新人会を知っておけばよかったと思ったのは、ある先生との出会いがきっかけでした。

税理士登録する前は研修制度が充実された大きな事務所に勤務していたため、それなりに勉強するクセは身についていたと思っていました。ところが独立してしばらくしたときに、何をどう調べても答えが分からない問題が発生しました。そのときに出会い、お世話になったのが税経新人会の先生でした。話をしてたくさん経験を積まれていることは感じたのですが、特に驚いたのはその先生の幅広い知識や見識、考え方でした。衝撃すら感じました。今までの枠を飛び越えた別次元のものを感じました。その背景に税経新人会という環境があり、「税経新報」があることを知りました。このような経緯であったため「税経新報」は他の情報誌よりも特に興味をもって毎回熟読しているわけであります。
今回は、その「税経新報」について感想などを述べさせていただきたいと思います。

「税経新報」を読んでの感想
まず全体的に感じること、それは、執筆されている先生方が非常によく調べられて、かつ、よく考えられたうえで、税制に対するものはもちろん、社会に対して問題提起をされている記事が多いことです。それだけでレベルの高さを感じます。というのは、問題提起できるということはその本質を見抜いているわけで、その本質を見抜くというのは半端な知識では見抜けないからです。

また執筆されている先生方の考えもふんだんに織り込まれて、どの記事も刺激的です。これほどのインパクトを与える情報誌はあまりないのではないでしょうか。
とにもかくにも私にとっては刺激が強く、それほど気にしていなかった社会問題についても目を向けるようになりました。
「税経新報」は素晴らしい教科書だと思います。
ご多忙の中、執筆されている先生方や編集部の先生方にはとても感謝しております。この場をお借りして御礼を申し上げます。

最近読んで特に印象に残っている記事
前述したように、すべての記事を興味深く読んでいますが、とりわけ印象に残っている記事は格差社会に関する記事です。
パナマ文書により話題に挙がることが多くなったテーマですが、個人的には以前からこの問題が気になっていたからです。

かなり昔の話ですが、この業界に入って一番しっくりこなかった業務がタックス・ヘイブンを活用した節税スキームでした。駆け出しの頃でよく分からず詳しい人に聞きながらやっていたのですが、そのときは疑問を感じながら業務にあたっていたのを覚えています。
格差社会の問題は多くの事柄が絡みあっていますので、記事の内容もその範囲は広く奥の深いものが多いですけど、執筆された先生方の様々な角度からの問題と原因、それに対する対策等は共感できるものばかりでした。

話は変わりますが昨年から租税教室の講師をしています。租税教室では、小学校や中学校の生徒たちに課税の公平性について説明していくのですが、私自身はこの格差社会が引っかかっています。
今後、格差がますます広がる傾向にありますが(世界的にみればすでに歴然とした格差社会になっていますが)、子供たちの将来のために不公平な社会や税制になってはならないよう、この問題には注視していきたいと思います。

これから「税経新報」に期待すること
平成28年、私は税経新人会と「税経新報」に出会い、仕事に対する考え方も変わっていきました。職業専門家としてどうあるべきか、また、どういう勉強をしていきながら仕事をしていくべきかということよく考えるようになりました。
登録して間もない経験の浅い私だからこそということもあるかもしれませんが、私がそうであったように、一人で悩み苦しみながら仕事をしている税理士の先生が少なからずいるような気がします。

「税経新報」はそのような先生方に力になるものですので、税経新人会をご存知でない先生方や入会されていない先生方、一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。
税経新報は税経新人会の賜物ですので、これからも大いに期待しています。

(なかで・まこと)

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