第47回全国研究集会は北陸、加賀で2011年9月9日(金)・10日(土)加賀・山代温泉ホテル「ゆのくに天祥」で行われました。北陸会では3回目23年ぶりの開催ですが前会開催時の会員がほとんどいなそうです。高齢化の波は北陸会にも押し寄せ最年少でも50*才、ここらで引き受けなければとの思いで今回の全国研を引き受けたそうです。北陸会は会員17名3県にまたがります。静岡会の応援そして事務所スタッフ、全国協議会の絶大なる支援に支えられて開催をすることができました。開催にあたり当初開催予定地であったホテルの変更、3.11の大震災さらに開催1週間前の台風12号と災害が続きましたが、無事開催にこぎつけることができました。
今年のイメージキャラクターは歴史学者磯田道史の著書、映画では森田芳光監督 キャスト堺雅人、仲間由紀恵の「武士の家計簿」がモチーフで、主人公は加賀藩の武士、激動の幕末を剣ではなくそろばんで家族を守り抜いたそろばん侍が描かれています。今まさに混沌とした時代、電卓片手に中小企業を守るのは我々税理士ではないでしょうか!まだ名前がないそうなので皆さん是非考えてあげてください。 |
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1日目 9月9日(金)
千葉、東京、神奈川、埼玉の会員は羽田空港より9:55離陸、機体は東京湾、湾口部に向かうと思いきや、北上し東京ディズニーランドを左に旋回し府中競馬場を眼下に高度をどんどん上げてゆきます。左手に富士が見えるとシートベルト装着のサインが消え機内のお茶のサービスです。一息つく間もなく、高度を下げはじめ10:55小松空港に着陸、心配した天気も上々ほんの1時間、あっという間に到着しました。空港に着くとキーンというものすごい音、そう、ここは自衛隊と一緒の飛行場、訓練のジェット機の爆音です。飛行場では青緑のポロシャツを着た北陸会の方々の出迎えを受け、バスに乗り換え会場に向かいました。
・受付(11:30より)
ゆのくに天祥ロビーで北陸会の熱烈な歓迎の出迎えで受付を済ませ分科会に向かいました。
・分科会(13:00 17:00)
関東信越会「原子力発電と税制」
東京会「改正国税通則法納税者の権利を守るためには」
大阪会「所得控除『憲法が求める非課税制度とは』」
神戸会「実務家のための相続読本」
中国会「"他人事ではない"税理士事務所の事業承継問題」
全国協議会「『みんなで応援しよう東北!復興税制とその財源』税理士にできることを考えよう」
開催場所の都合で6分科会までしか持てませんでしたが、どの分科会のテーマも興味がありどこに参加するか迷うところです。内容は、詳しくは8月号分科会テストならびに10月号の分科会報告をご覧ください。各会場活発な討議が繰り広げられた4時間でした。
・懇親会(18:30 21:05)
同ホテル天祥の間において北陸会世戸英明会員と小川李奈さんの司会で開会。清家裕理事長から会員の減少が続いていたが、この1年間は8人の純増があったこと、3.11震災につき東北会、関信会、茨城会の取り組み、義損金のお礼、北陸会へ開催のお礼の挨拶に続いて来賓の加賀市、寺前秀一市長様から歓迎の挨拶を頂戴いたしました。また司会者より加賀市からは本会の開催に際し助成金として多額の補助を頂いている旨の報告がされ、北陸税経新人会の彼谷肇会長の乾杯の音頭で懇親会が始まりました。
北陸は山海の美味しものがたくさんあり、特にグルメ漫画「美味しんぼ」でも紹介された日本酒「菊姫」の「ひやおろし」は格別でした。
司会者より全国青税から祝電の披露あり1部アトラクションとして女性だけの和太鼓グループ「藍」によるパワフルな創作太鼓、藍太鼓の演奏を楽しみました。
会場には久しぶりの再会、特に今年は自然災害の多発、原発事故と災害が重なった年でしたので皆の無事を確認しあいました。第2部として楽屋姫のコンサートです。70年代に一世を風靡した元祖四畳半フォークの真骨頂かぐや姫のコピーバンドでむかし懐かしいフォークにオリジナル曲も加え大変素晴らしい演奏でした。ここで3月に大震災で大変な災害にあわれた東北会を代表して中川俊昭会員よりお見舞い、カンパのお礼と頑張っているぞ!との挨拶に会場一同激励の大きな拍手が沸き起こりました。
宴会もいよいよ終わりにちかづき楽屋姫の演奏で「ふるさと」をみんなで合唱しました。スケジュールでは20:30で開きですが、会場から楽屋姫へのアンコールで予定していた懇親会終了後の楽屋姫の2部コンサートが引き続き行われ時間オーバーの21:05まで大いに飲んで語って歌った懇親会でした。言うまでもなく懇親会後深夜までカラオケルーム、各部屋での歌声と語らいは続いたのであります。 |
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2日目 9月10日(土)
・記念講演(8:50 10:00)
富山国際大学 現代社会学部 大谷孝行教授による「笑いの効用」
哲学精神療法の研究者である師は自分自身の体験が基でノイローゼの研究に入りノイローゼは心が何かにとらわれている状態で、心に柔軟性、余裕がない状態である。これを解きほぐしてくれるのが笑いであると述べられています。
《県民性と笑い》
徳島県は、自殺率の低い県で一因は阿波踊り「踊る阿呆に見る阿呆同じアホなら踊らにゃ損損」でストレスを発散しているのではなかろうか。人間の死亡率は100%であり「立っていても踊っていても銃弾に当たる確率が同じならば、踊った方がいい」と考えるのがユーモアである。また笑いを考えるときには大阪府は外せない。笑われることを恥ずかしがらない、笑いをとったと考える地域性である。いくつか謎とき洒落言葉が紹介された。笑いは素晴らしい効果があるもので、あまり否定的に考える教育はよくない。
《笑うとどうなるのか》
ノーマン・カズンの笑い療法「笑いと治癒力」、伊丹仁朗のユーモア療法「笑いの健康学」、吉野槙一のリューマチの臨床結果の紹介がされました。
《笑いによって心を開く》
19歳の若者の、デーブ・スペクター(アメリカン人でダジャレがうまいコメンテーター)に会いたいという夢をかなえるTV番組が上映されました。
甲子園出場に夢をかけた高校球児が最後の大事なチャンスで三振、最後のバッターとなってしまった。自分のせいで試合に負けたと自分を責め引きこもりになってしまった。そんなある日TVから聞こえてきた。「案ずるより横山やすし」デーブ・スペクターの言葉に、笑うことができた。どんなにウケなくともダジャレを言い続けるデーブ・スペクターにたった一度の失敗でくよくよしていた自分に勇気を与え前向きに前進するきっかけを作ってもらった。そして最後までドッキリTVではないかと思っているデーブ・スペクターに感動の出会いをすることができた。という番組です。
《笑いとユーモア》
ユーモアは笑いだけでなく、生き方、人生観が入っている。矢野峰人は人生には馬鹿らしいことが起こる思い通りにならないことも起こる、不条理なことも起こる、それを認めたうえで尚且つ、それらに飲み込まれて振り回されてしまうのではなく人生を楽しもう、しみじみと眺めようと持ち続けることがユーモアであると言っている。これにピッタリなのが川柳特にサラリーマン川柳である。いくつか川柳を紹介されました。
《アルフォンス・デーケンのユーモア哲学》
「よく生き、よく笑い、よき死と出会う」の本より人生の中には面目になりすぎる危機がある、動物的な真面目は壁に当たり心が折れてしまうことがある。陥らないようにしなければならない。次に今まで沢山の親類友人の死に出会い皆が悲しむ姿を見てきた老母が自らの臨終の際、酒も煙草もたしまないにもかかわらず、あえてそれを所望することで死により子孫達に悲しみではなく明るい雰囲気のコメディー、ユーモアを残した感動のエピソードが紹介されました。
《ユーモワとは、『にもかかわらず』笑うこと》
《悲観主義は気分に属し、楽観主義は意志に属する(アラン)》
《幸せはいつも自分の心が決める(あいだみつお)》
笑いには囚われてしまった心に隙間を開けてくれる素晴らしい効果がある皆さんも生活の中に笑いをとりいれて人生を送ってください。
・関西テレビで放映の消費税報道のDVD 上映
・全体会(10:1012:30)
全体会は神戸会の大塚洋美会員の司会でまず3月の大震災の犠牲者のかたがたのご冥福を祈り全員黙祷後、座長団に戸谷隆夫副理事長、松田周平副理事長が選出されました。
清家理事長から挨拶と2010年度活動報告がありました。詳細については税経新報8月号をご覧ください。
会員からの発言は次のとおりです。
東北会・庄司慈明会員「税経新人会からの支援のお礼、被災は共有することは難しいが寄り添うことができる。大変大きなもの大切なものを多く失ったが失ったものは数えない、残ったものを数えるそこに光を見つけてゆきたい、今後ともよろしく支援ください。」
関信会・秋元照夫会員「日本は広島、長崎、第五福竜丸、東海JCO事故そして福島と5回の放射能の汚染にあっている、もう眼をさましましょう。特別決議『脱原発の社会を求める決議』を提案し会場に図り大きな拍手で採択された。」
千葉会・長谷川拓人会員「昨年の千葉全国研のお礼と近年各団体はいずれも会員の減少に苦しんでいるが、自分が千葉会の会長就任以来2年90名の会員を104名まで拡大してきました今後も会長自らが率先して新人会のアピールと会員拡大の活動をしていきたい。」
大阪会・竹内克謹会員「会員拡大のため今までは新規登録者に案内の送付、ホームページと受け身の行動であったのを若手の青年クラブと一緒に税理士証票伝達式にパンフレットを配るだけでなく事務所と名前を聞きその場で勉強参加の要請FAXで返信の依頼、懇親会の無料チケットを配るなど5月より今年8月までで10名の会員を増やすことがでた。今後も清家理事長の地元地域会として大いに頑張りたい。」
神奈川会・益子良一会員「鹿野事件『弁護士会の役員が役員会で支出した酒食は事務所の必要経費にはならないという判決』強制入会制度に関するものは必要経費になるが役員になることは強制しているわけではなく役員会に伴っての支出は必要経費として認められないとした、これは士業に関係する大きな問題で控訴する準備しており最高裁まで行くつもりなので皆さんの支援お願いしたい。」
東京会・湖東京至会員「国税通則法の問題、まだ3党協議は行われていない。棚上げになっている。当局は事前通知を嫌っているが、協議が行われていない今はチャンスでありフランスのような悪質な納税者憲章ではなく韓国、アメリカ、カナダのような、いい納税者権利憲章を作る運動をしていきたいので、ぜひご協力をお願いしたい。」
千葉会・伊藤清会員「福島の人災ばかりでなく、地震台風などの自然災害も災害対策基本法に基づき万全の対策を講ずべきであるが国がこれを放置している以上人災的側面を有しており、この点を追及していくべきである。牛島訴訟(税政連問題)非常に重要な問題であり再度提起したい。」
東京会・関本秀治会員「民主党が行政不服審査法の改正につき検討しており、パブリックコメントを受付している、ホームページでも資料が取れるので個人的にでも全国協議会でも検討してアクションを起こしてほしい。」
特別決議では東京会・平石共子会員より「真に納税者の権利を確立するための納税者権利憲章の制定及び国税通則法の改正を求める決議」、名古屋会・大橋泰子会員より「『社会保障と税の一体改革』に反対する決議」の2つが読み上げられ満場一致の拍手により採択されました。
座長団解任に続き佐伯正隆事務局長より以下の新役員が紹介されました。 |