論文

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東京税経新人会青年部会 10年の時を経て
東京会 富岡 美也子

東京税経新人会に青年部会を作ったのは12〜13年前になるだろうか。会長、副会長などに相談することもなく、定期総会の時いきなり発足宣言をした。当時は相当の顰蹙を買ったものだ。

発足を考えた理由は、「ひとりぼっちの青年税理士をなくそう」で、新人会を知らない新しく登録した若い税理士を対象に案内を送り、いまでもこれをスローガンに活動している。
発足時は私を含め5人で毎月勉強会をしていた同期会のメンバーだ。

しかし、その後メンバーの中心的存在だった会員が病気になっていなくなり、その後も1人また1人と減り、最後に残ったのは私と、私と事務所を同じくする清水和雄会員の2人であった。
それでも2人で何とか続けてきた。そして、私も鬱病になった。2年ほど休会した後、もう一度頑張ろうと新しいメンバーを募集し再開した。

青年部会を通じ新しい会員がたくさん増えた。青年部会の特徴は、講師の時間は1時間ほどで、その後グループディスカッションをすることである。
先日も秋の研修会を開催した。テーマは「最強の税務調査対策・・・入門編」である。講師の石塚幹雄先生(東京税経新人会組織部長)の講義は次のようなことである。
 I 平成22年度における課税部門の事務運営の特留事項として

 1.共通重点課題
 無申告事案の取り組み
 国際化に対する取り組み
 消費税課税事業者への取り組み
 源泉所得税事案の取り組み
 広域展開する法人グループ等への取り組み
 公益法人調査、他3項目

 2.個人課税として
 富裕層への対応(大口資産家は特別国税統括官部門が管理、財産債務明細書のチェックは厳しく相続までデータ管理する)
 注目業種として、弁護士・司法書士・行政書士
 重点調査業種として、全医療業種・鍼・灸・マッサージ・あんま等

 3.法人課税として
 稼働無申告法人
 重点業種として、パチンコ・パチンコ関連業種・シルバー関連業種
 注目業種として、好況・不正潜在

II  調査事案の選定から調査着手まで
III 税務調査への対応についての留意点
IV 調査手法、調査対応に係る諸問題

などを詳しく解説していただいた。


会員外の参加者は公認会計士の資格を持っている人が多く、調査には不慣れ、未経験という方が多かった。
5〜 6名で1グループずつ作るのだが、講義の後のディスカッションは時間が足りないほどであった。それぞれのグループで話し合われたのは主として次のようなことだ。


〇 1976年に国税庁が出した「税務運営方針」は今でも有効か?
〇 税務署が海外資産を持っている人の情報を買い取っているという話があるが本当か?
〇 調査日を2日と言ってくるが、これは拒否出来るか?
〇 調査事由の説明をどこまで追求することが出来るか?


その他たくさんの経験談も話された。ページが足りず詳しくお話しできないのが残念だが、補足として当日配布されたうち、講師の先生が調査官時代にご自身で作成されたという「歯科医師用調査書用紙」と、「東京国税局が職員向けに出している現況調査の心得七か条」という特別な資料を掲載させて頂くことにして、青年部の活動の報告を終えることにしよう。


なお、閉会前に新人会の紹介を話しているそばから私の目の前で入会申込書に記入を始めた参加者がいた。これにはさすがに私もびっくりした。嬉しい限りである。翌日、はじめてきた参加者に新人会の「税務調査10カ条」を送ったのは言うまでもない。

(とみおか・みやこ)


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