(2004.12月号)
東日本シンポジウム
税制改革について私たちが求める税制とは?政府税調の答申に照らして
西日本シンポジウム
税制改革について私たちの求める税制とは?


東日本シンポジウム
税制改革について
私たちが求める税制とは?政府税調の答申に照らして
福家俊朗先生(名古屋大学大学院法学研究科教授)の2時間の講演と熱心な討論に81名が参加
税経新人会全国協議会研究部主催の東日本シンポジウムは、11月13日(土)午後1時から5時まで、東京の中央大学駿河台記念館で開催、北は北海道から南は沖縄まで、各地域会から総勢81名が参加しました。

先生の講演内容については、機関誌部の報告に譲りまして、ここでは事前の取り組み、当日の模様等につき以下報告致します。

9月25日の全国常任理事会で正式承認されたのを受け、10月12日に東京・神奈川・千葉会の代表者と会議を持ちました。目標は100名と設定し、早急にチラシを作成し、宣伝を強める事、当日の運営等について確認しました。その後、北は北海道から西は静岡・関信会まで約650枚のチラシを会員に配布しました。

事前の先生との打ち合わせで、誰もがやれる税務相談のような解釈論ではなく、何のための税制かという肝心な租税制度の法的存在理由(正当性)について話していただくことになっていました。

レジメのほかに、税研集会での講演内容が載っている『税金2004』を用意していたのですが、手配ミスで配布するのが中休みになってしまいました。

福家先生は名古屋会では著名な先生でしたので、新国理事長の挨拶の後、急な話でしたが同会の富田偉津男会員に先生の紹介をしてもらいました。

「僕の話は難しいと評判だから」と先生は自己紹介されていましたが、期待にたがわぬ内容?か、難しかったという感想がある一方、先生の話は体系的で、今日の税財政の状況は、偶然になったのではなく、ある意味で第二臨調の方針通りに進んでいることが良く分かった、新人会の研修会らしく筋が通っていたという感想がありました。

質疑・討論タイムでは、法人擬制説の問題、応能負担と応益負担の問題、政府税調の構成メンバーの問題、今日の状況をどう見たらよいか等多岐に渡りました。
法人擬制説の問題では、今日の法人税の軽課はたまた法人税の廃止発言が飛び出す背景に、擬制説があり、中小零細業者の法人成りの状況が、その説を維持させている。そして税理士自身が商法・税法の矛盾により、法人成りを奨めている事に私自身複雑な思いでした。

又応能・応益の問題では、応益課税という考え方が負担の問題にまで口を出しすぎている旨の話を先生はしていました。私は以前だれかの話で聞いた言い方では、課税の根拠として、義務説と利益説が対置し、負担の方法として応能負担とフラット負担が対置するのであり、応能と応益とを対立させる所に無理があるという話を思い起こしました。

講演後の懇親会では、先生も交え全国の20数名の会員が参加しました。普段難しい顔を突き合わせながら意見交換している会員の、新たな一面が発見できるなど有意義な時間となりました。
東日本シンポジウム参加者
東京 43名
埼玉 6
神奈川 5
千葉 4
茨城 3
関信 2
名古屋 2
神戸 1
北海道 1
九州 1
沖縄 1
他団体 12
81名
文責:松田 周平
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