論文

特集 第46回千葉全国研究集会報告
> 感謝!!千葉全国研究集会、成功裏に終了!!
分科会・懇親会・全体会そして記念講演
編集部 清野 智江


2010年9月3・4両日に渡り、第46回全国研究集会が千葉(幕張)で開催されました。イメージキャラクターは、Peace への願いと千葉特産のPeanuts との間に生まれた「P 助」くんです。今年も例年通り1日目は研究発表を分科会方式で開催し、2日目は全体会、記念講演となりました。
1日目 9月3日(金)
・分科会(13時〜 17時)


 「ホテルスプリングス幕張」「幕張テクノガーデン」「クロスウェーブ幕張」の3つの会場において以下の7分科会が開催されました。

  • 東京会「会計事務所の悩み解決!〜事業承継、顧客獲得、管理運営、税務調査の基本、大研究!」
  • 関東信越会「最強の税務調査対策」
  • 中国会「公開事例研究〜納税者の権利と課税権力とのはざ間に立って」
  • 東京会「大嶋訴訟判決から始める判例研究〜給与所得控除等の問題点」
  • 埼玉会「給付付き税額控除と納税者番号制を考える」
  • 神戸会「税の歴史とその時々の国家の成り立ち」
  • 千葉会「税理士法、いま何を問うべきか」
毎回どの分科会に参加するか迷います。どれも聞いてみたいテーマです。参加できなかった分科会については、税経新報8月号の分科会テキストと10月号に掲載の分科会報告をご覧ください。

私も前回佐渡全国研で分科会を担当したので、報告する会員の苦労が判ります。各会場で熱心な報告と活発な討論が繰り広げられ、短く感じた4時間でした。
・懇親会(18時〜 20時)

101001.gif ホテルスプリングス幕張アネックス新館で懇親会が開催されました。
千葉会森山共子会員と小川八重子会員の司会で開会。実行委員長飯塚やよひ会員より歓迎の挨拶があり、来賓の千葉県税理士会会長石井幸夫氏、千葉青年税理士連盟会長雨宮誉夫氏よりご挨拶を頂きました。続いて千葉市長の祝電が披露され、千葉会三谷宏会員よる乾杯の挨拶により懇親会が始まりました。

今回の懇親会は、テーブルが単位会ごとではなく参加分科会ごとに用意されていました。新しい試みでしたが、報告者や他会の会員との触れ合いは楽しいものでした。途中で分科会対抗クイズが開かれ、東京会大塚会員、藁会員、関信会土屋会員、埼玉会島田会員、中国会金巨会員、神戸会大垣会員、千葉会上田会員が分科会報告後の疲れもありながらクイズで競い合い、大塚会員と大垣会員が同点でジャンケンにより大垣会員の優勝となりました。

フィナーレはうたごえでと、故郷(ふるさと)、夏の思い出、千の風になっての3曲を会場全員で歌いました。

会場は日頃はなかなか会えない仲間との、昔の話、仕事の話、家族の話など、話はつきず、2時間があっという間に過ぎました。最後は長谷川拓人千葉会会長の閉会の挨拶と三本締めでお開きとなりました。
2日目 9月4日(土)
・全体会(8時50分〜 10時50分)

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戸谷隆夫副理事長の開会挨拶で始まり、山本友晴副理事長、松田周平副理事長が議長団に選出されました。続いて清家裕理事長より挨拶と2009年度活動報告がありました。活動報告の詳細については税経新報8月号に掲載があります。


会場からは千葉会伊藤清会員「税理士法第1条改正について」、関信会土屋信行会員「税務調査対応について」、東京会湖東京至会員「納税者権利憲章制定問題」、中国会金巨功会員「初めて分科会を担当して」、東京会関本秀治会員「消費税増税の税制改正」についての発言がありました。

特別決議では大阪会梅田佳奈会員より「税理士法第1条の改正を求める決議」、北陸会北正幸会員より「消費税の増税を阻止しよう!」の2つが読み上げられ、拍手による満場一致で採択されました。
座長団解任に続き、佐伯正隆事務局長より以下の新役員紹介が行われました。
理事長  清家 裕
副理事長 山本友晴
 同   大塚洋美
 同   戸谷隆夫
 同   松田周平
事務局長 佐伯正隆
会計監査 吉本 貢
 同   飯島健夫
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清家裕理事長より、先の5人の発言についての意見と2010年度活動方針の発表があり、意気込みと決意が示された挨拶がありました。
来賓の全国青年税理士連盟会長片山泰宏氏、日本大学法学部教授黒川功先生からもご挨拶を頂きました。

101004.gif 税経新報の表彰では、清水裕貴機関誌部長より機関誌部のリストアップの中から選考委員が決定したことの説明があり、大阪会の佐飛淳一会員「民主党政権の消費税をめぐる三つの欺瞞点」が受賞されました。また特別賞として沖縄会の3名、高良正一会員「危険な普天間基地は即時撤去を!=鳩山総理は公約を守れ=」、知念正雄会員「沖縄の米軍基地と普天間移設問題」、前川敏光会員「米海兵隊普天間基地の即時返還を求めて」が受賞されました。


続いて、千葉会の会員が壇上に上がり今回の開催にあたり飯塚やよひ実行委員長のお礼の挨拶の後、次回開催地北陸会へ握手によるバトンタッチが行われ、来年の再会を誓い合いました。
大塚洋美副理事長の閉会の挨拶で、第46回千葉全国研究集会は閉幕となりました。
・記念講演(11時〜 12時30分)

今回は全体会の後の記念講演となりました。
神戸大学教授の二宮厚美先生に「当面する日本経済・財政構造と新福祉国家」というテーマで講演していただきました。

はじめに参議院選挙の結果を国民の消極的・受動的選択に終わったと総括し、問われるべき積極的選択肢としては新福祉国家と財政問題であるとしています。民主党政権では新自由主義からの水平的所得再分配への傾斜がみられ、応能負担原則に基づく垂直的所得再分配によるべきかの選択が参院選挙では争点にならず、結局消費税増税にイエスかノーかの選択選挙になってしまった。不況時は、予想利益の確保ができないため、稼いだ資金を投資に回せない。そのため過剰資金が溢れているのだから、それを税金で吸い上げるという垂直的所得再分配の再構築が必要だと話されました。二宮先生のお話は何回かお聞きしているのですが、いつも時機を得た内容で勉強になります。

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記念講演後、各自観光など千葉近郊を満喫されたと思います。私は幕張から羽田に行き、東京会の韓国旅行に参加してきました。次回加賀での開催を楽しみにしつつ、ここに報告をさせて頂きます。

   (せいの・ともえ:東京会)


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