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時潮

時潮
今こそ仲間を増やそう!
組織部長 長谷川 拓人
最近は様々な団体で会員数が減少しその克服に努力しています。会員減少はその団体の存亡にかかわる重大問題です。税経新人会も全く同じ問題を抱えています。インターネットやSNSの普及によって人と人との距離は近くなったように錯覚しますが、実際は人と人との距離を遠ざけている様に思いませんか?人間関係がより広く、より浅くなってしまったので、より狭くより深くという人間関係が少なくなってしまったということはないでしょうか。

インターネットで「会員増強 会員拡大」で検索しますと、様々な団体が本格的に取り組んでいることがわかります。各地の経営者の団体であるロータリークラブやライオンズクラブ、青年会議所、商工会、中小企業同友会等が奮闘している記事がでています。どの団体も前向きに積極的に取り組んでおり、会員増強委員会や推進委員会を設けたり、増強キャンペーン、会員増強月間、など一定の期間に目標を掲げたり、会員増強パンフ、マニュアルや手引きを作成したり、それぞれかなりの成果を上げているようです。そしてその活動や戦略には学ぶべきところがたくさんあります。

税理士は平均年齢が60歳前後と言われ高齢者が多い業界ですが、まさに老人の団体である全国老人クラブ連合会は、平成26年度から5年間で全国運動の目標人数を100万人とし都道府県や指定都市で独自プランを作成し推進し緻密な戦略をたてて効果をあげているようです。また、中小企業同友会全国協議会という全国組織があり、各県に地域会があり新人会と組織形態が似ています。全国的に中小企業の数が業績不振や廃業で減少していますが、この団体は2016年は45,000人、2017年には46,000人、と増加させ、2019年には5万人達成を目指しています。会として理念を共有し会員が勉強をしていくという形態も新人会と似ていますので、新人会も「やれば出来る」のではないかと思います。

今から61年前の1957年6月に東京税経新人会が結成され1965年7月に税経新人会全国協議会が結成されました。税務会計の任意団体としては1958年に全国女性税理士連盟、1962年に東京青年税理士連盟、1967年に全国青年税理士連盟が結成されています。このように歴史をみても税務会計の任意団体の中で税経新人会は一番長い歴史を誇る団体です。「憲法にもとづく国民の諸権利を擁護することを 使命」(会則)とする理念のもと、がんばっていると必ず助けてくれる人がいる、一生懸命に取り組むと手を差し伸べてくれる人がいる、そんな思いで諸先輩達がこの組織を引き継ぎ発展させてきました。この伝統ある税経新人会を存続させ更に発展させなければなりません。

日本の高度経済成長に伴い税理士の数も増え諸先輩達のたゆまない努力で会員数 も増えていきました。2003年には1086名の会員数を擁し、しかしこれを頂点に少しずつ減少し、2015年には1007名となり、本年6月中旬には944人にまで減少してしまいました。何としてもこの減少はくい止めなければなりません。減少事由には会員の高齢化、税理士廃業などやむを得ない要因があります。官報に公告される税理士試験合格者も2012年度が1,104名でしたが、昨年度は795名と激減している厳しい状況もあります。しかし手をこまねいていては減っていくばかりです。組織部としては何とか千人を回復させたいと考えています。

税制改正も複雑になり新型のパソコンと専門書だけの知識では対応できないことばかりです。このような業界だからこそ税理士は「何でも気軽に相談できる仲間」を求めています。新人会は研究団体ですから、業務に関する「困ったこと」をみんなで解析しそのケースにあった最善の方法を会員同士の知恵を駆使して解決の道を開きます。まずは、税理士会支部例会等で周囲を見回してください。かならず皆さんからの声かけを待っている困り事を抱えた税理士がいるでしょう。傾聴し現実の悩みや疑問の解決にむけて考えてあげましょう。

特に税務調査については税経新人会で学び経験を積んだ税理士と、専門書やハウツー本だけで学んだ税理士とでは雲泥の差です。税経新人会は税務会計の困り事の駆け込み寺です。私自身、何度新人会の仲間に助けられたことか・・・、枚挙にいとまがありません。税経新人会での体験を知人友人に伝えてみてはどうでしょう。新人会での出会いにきっと感謝されるでしょう。

人は人と出会い、人によって磨かれ、そこから新たな人生は始まります。運は自らつかむもの、そして時間は全ての人に平等に与えられます。
あなたは出会いを活かしていますか!
人は出会って知人となり、語り合って友となり、活動しながら仲間となる。

(はせがわ・たくひと:千葉会)

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