新年おめでとうございます。
昨年末、突然の国会解散による選挙結果の特徴は、「暴走」を続ける安倍内閣が引き続き2/3の議席を確保したなかで、沖縄の基地撤去をもとめる一部自民党勢力も含めた全野党共闘の完全勝利、安倍内閣の「暴走」に最も厳しく対決した日本共産党の躍進に象徴されると思います。年初早々から引き続き国民の平和、民主主義、原発再稼働問題、雇用や暮らしの問題など、「暴走」を止めない安倍政権と厳しいせめぎあいの続く1年になりそうです。
さて、昨年4月より消費税率8%が実施されましたが、その結果26年度予算の消費税の税収割合が30.7%(予算ベース)を超え、これまでトップにいた所得税を追い越す事態になりました。10%の再増税は1年半延期にはなりましたが、もしも予定通り実施されていれば、消費税の税収割合は約35.6%(26年度予算ベース)にもふくれ上がり、消費税の基幹税化どころではなくまさに後戻りのできない消費税主体の税収構造になるものです。
このまま放置をすれば、閣議決定された2020年のプライマリーバランスの黒字化(財政健全化)とのかかわりで、「税率10%へ上げた後には、次の形をどうするかという段階が必ず来ざるを得ない」(26.7.16自民党野田税調会長)との発言もあり、10%の後には16%の観測までマスコミから発信されています。
法人税実効税率の引き下げは、そういう流れの中でアベノミクスの「第3の矢」と結合して打ち出されてきました。私事で恐縮ですが、新報の先月号と今月号に掲載された「消費税の基幹税化と、法人実効税率引き下げによる中小法人税制の解体」(原稿は3カ月前に出来上がっていたものですが)をお読みいただければ、議論の経過と今後の税制改正の方向、更には新人会の役割まで展望し、アベノミクスの「第3の矢」として打ち出される法人税制の見直しが、「税金でも暴走を続ける安倍内閣」の本質をいささかでも明らかにできたのではないかと自画自賛しています。
税経新人会の主要な事業の一つに「民主的な税制と税務行政の実現」があります。
新年早々から、税制問題は重大な政治課題となるもので、法人実効税率引き下げがトリクルダウンの論法で、労働者の賃金や下請け単価の引き上げにつながるわけもなく、その本質を明らかにし広く伝える役割が私たちに課せられています。2015年を行動する税経新人会の未来におおいに期待をする1年にしたいと思います。 |