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京滋会からのご挨拶
京滋会 永野 義典
奇しくも二年前の師走総選挙で自民党・公明党が合わせて300議席をこえ政権に復帰した。今回も師走総選挙で自・公両党で326議席獲得し衆議院で三分の二を超える状態ができた。二年前と違うのは消費税に頼らない別の道があると提案している日本共産党が8議席から21議席に増えたことでした。

5%から8%への増税は中止をと、税理士アピールが出され、私も賛同税理士として京都駅前の街頭での訴えや、京都府会への請願書の提出行動、京都府会各党への要請行動、京都円山集会での消費税増税中止を求める税理士アピールの紹介と訴え、小池晃さんを招いてのくらしと経済を語る集いに参加し訴え暮らしと消費税を考える会での講師と、京都税制研究所での講師と結構動いてまいりました。

皆が懸念していた通り、8%に増税してから国内総生産GDP が2四半期連続のマイナスとなり「増税不況」に陥ってしまいました。

口実とされた土光臨調の時、国の借金が150兆円あり、これでは国の財政が破綻してしまう、少子高齢化で社会保障の財源も保障できないということで、広く薄く課税を実行してきて25年。法人税率は実効税率5860%から35%になり法人税収は19兆円から10兆円に下がり、所得税は住民税を入れて88%から50%に最高税率が下がり、所得税・住民税収は26兆円から13兆円に下がり、消費税収は10兆円になった。

一方社会保障の負担は軒並み増えてきた。国の借金は1008兆円(H25.6月末)と増え、社会保障費のためと言われながらその実態は圧倒的に公共事業費であった。25年間の消費税収は244兆4604億円は、口実とは裏腹にどこにいったかの答えだと思う。生きていくために消費税を払わざるを得ない層から富裕層、大企業へ税金が流れている。こういう実態を何故マスコミは流さないのか、税はどうあるべきかを。

今回の選挙で公明党がさかんに軽減税率の適用を宣伝していたが、事務負担の大変さの割には効果は薄いと考えるし、税収減の分、標準税率がどんどん上がってゆくことになるだろうと思うが、いずれにしても憲法の言う「応能負担原則」で富裕層や大企業に応分の負担をしてもらって「増税不況」から脱したいものだ。

京都では、1月10日11日と第54回の税研全国集会が、京都市左京区の「ホテル平安の森京都」で開かれる。今回が最後の集会となるとのことで残念に思うが、参加しようと思っている。
今年もよろしくお願いします。

(ながの・よしのり)

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