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時潮

時潮 全国研ありがとうございました
副理事長 松田 周平
50回目の節目の記念集会を史上最高の参加者445名で成功を収めた第50回東京浅草全国研究集会、全国の会員の皆様この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

「エスカレーターを上がると受け付けは人の山だった」「100名を超える分科会で、一日目から全体会議が行われるのかと間違えてしまうほどだった」「懇親会では椅子に座っている人の背中と、反対側に後ろ向きに座っている人の背中の間が狭く、ドリンクを片手に移動する時にぶつかってこぼさないかと心配した」「全体会では会場が広く壇上に並んだ人たちの顔が遠くにしか見えなかったけど、シンポジウムでは報告者の姿が大画面に映し出されて、臨場感があって良かった」等々、ご不便をおかけしたことも多々ありましたが、目標人数を大幅に超えた参加がそうさせたという事で、お許しを戴きたいと思います。

私は昨年の京都全国研で『新しい国税通則法の下での税務調査』を担当しました。その時にF会員の意見が気になっていたので、集会の少し前に電話で話を聞いてみました。すると「今あるスナックの税務調査で、経営者が誰かが争いになっている事案があるの」と持ちかけられ、「それって税経新報の7月号に載っていた須田周平さんの体験記事と一緒ですね」と私が言うと「そうなのよ、この記事のお陰でスナックの納税義務者が誰かを決める幾つかのポイントが分かって、調査で主張する時にすごく助かりました」と。全くの偶然に電話を掛けた私はびっくりし嬉しく思いましたが、全国ではこういう事例は枚挙にいとまがなく、皆さんは税経新報のあの記事が役に立ったと思う事は少なくないと思います。

税経新報の魅力は二つあると思います。 税理士自らが掲載する唯一?の業界誌であること、 読み手と書き手の交流が出来る業界誌であること。

全国で1000名の会員が、税制・税務行政について納税者の権利擁護の立場から書く、自らの決算・調査実務、税理士・納税者を取り巻く実務情報、税制等についての研究論文等は、同じ問題意識を共有しているので読んでいて自然に引き込まれます。またこの論文を読んでいてここが分からない、この体験の顛末はどうなったのか、と思う事が多くあると思いますが、その場合は事務局に連絡をしてもらえれば多くの場合書き手と連絡が取れ、誌面に載せられなかった事柄も教えてもらう事が出来ます。新人会の魅力は多々あるでしょうが、研修会等では聞くだけの一方通行で終わりでなく、質問・意見を出し、そこにまた誰かが出し合い、内容が深まっていく。その題材に税経新報の記事も登場しているでしょう。

1000名の会員は先の立場から、常日頃、全国で様々な経験をしています。その経験は新人会会員の大きな財産でもあります。一人だけの経験に終わらせてしまうのは、会として財産の損失でもあります。会としての力を強く大きくしていくためにも、是非全国の仲間からの投稿をお願い致します(先のF会員も落ち着いたら投稿してくれると言っていました)。
消費税の増税を初めとした庶民増税と、その一方での大企業への減税などの税制問題。集団的自衛権や沖縄への新たな基地を配備することから危ぶまれている平和の問題。その他、日本国憲法が規定している人権が脅かされている状況の中で、憤懣やる方ない気持ちの会員も多い事でしょう。私たち一人一人の力は微力でもそれが集団の力になった時は、大きな力に変身するでしょう。そのためにも多くの会員が税経新報に投稿をし、更に魅力ある誌面にしましょう。そして新人会の魅力を高め、税経新報の読者・新人会の会員を拡大していきましょう。第50回の研究集会がその出発点になったと後世に伝えられるように、皆さんの力をお借りしたいと思います。

(まつだ・しゅうへい:東京会)

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