論文
> 特集 地域会からの新年の挨拶 目次
名古屋会の現況と新年の抱負
会長 川崎 隆也
名古屋会の現況と新年の抱負としまして、このところの名古屋会の活動の方向をお話しいたします。それはズバリ、「仲間づくり」です。

名古屋会の会長に選任いただいて以来、租税法律主義の実践と税制の民主化に貢献する団体として、月日を重ねるほど、その声を大きくしていかなければと考え行動しております。名古屋会の現在の会員数は42名、そのうち、毎月の例会には30名ほどの参加をいただくようになりました。活発なる参加を、非常に嬉しく思っております。また、年末の忘年会には、重なる予定を調整いただき、24名の参加を得て盛大に行われました。新年の抱負にかえて、その中でのひとこまを報告させていただきます。

忘年会の冒頭、乾杯のご発声をいただきました大先輩の税理士が、問題点の指摘をなされました。私は、さすが新人会の税理士だなと感銘致しました。その内容は特定秘密保護法についてでした。乾杯の席でありますので、内容をじっくり詰めるものではありませんでしたが、大きくうなずけるご発声でありました。それは、他の士業がその成立の反対を訴える中、なぜ我々税理士はその場に居合わせないのかというものでした。弁護士会は、寒空の中、名古屋駅前で大きな声を上げていましたし、消費者団体もそうでした。特定秘密保護法は、我々税理士からすると射程外のものなのでしょうか。

我々税理士の使命は、税理士法第1条にて、「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって」云々とあります。このことを、私ながらに解釈しますと、税理士の使命は、「税に携わる者として、あるべき税制の提言とともに、税を通して、如何に社会を豊かにするよう行動するか」ということになろうかと考えます。そうしますと、今回のように、政権政党、官僚機構による一部の者の目的遂行の為に、恣意的運用の可能性を含む法案の成立に対しては、断固として反対しなければならなかったはずなのです。

たしかに、日常業務も充分に大切なことです。しかし、その一方で、税理士ゆえに担える職責として、現在、将来にむけて、今何をしなければならないのかを真剣に考えなければならない時期に来ていると思います。諸先輩方から、今回のような熱いメッセージをいただけるうちに、自分達そして若手の代へと、価値観を繋げられる仲間作りを一層進めなければならないと感じました。

(かわさき・たかや)

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