明けましておめでとうございます。
さて、昨年は、「特定秘密保護法」の法案強行成立を見て、改めて国という権力の統治のあり方について考えさせされた。法的には、統治について定めているのは、日本国憲法であり、そこには、三権分立、国民主権、基本的人権、戦争の放棄など基本的な事項が定められていると認識している。具体的統治については、憲法の下位に法律が定められ、それが全体として機能する仕組みになっている。法案の提出のほとんどが内閣による国会への法案提出で、審議を尽くして成立との建前であるが、今回の「特定秘密保護法」の“ まず成立ありき“ の異常な国会運営を見て、国会とは何なのか、との大いなる疑問を感じた。まったく、『美しく』ないものであった。
現在の政治は、政党を中心とした政党政治となっているが、憲法にはこの政党に対する規定はない。政党は、重要法案について党議拘束をかけて個々の議員が造反しないようにしているようだ。国民の支持率と国会における各政党の構成比率がほぼ一致しているのなら自らの考えと法案成立が不一致であることについてやむを得ないと思うが、現在の自民党政治のように20%前後の国民支持率で国会の過半数を握るという現状は、とてもではないが民意が投影されている制度とは言えない。
政党は、選挙制度のあり方について定数不均衡問題として " 憲法違反の状態にある" と裁判所から度々指摘を受けているのにもかかわらず、早急に是正するようには見えないし、与党個々の議員は、このような国会運営について憲法との関わりにおいてどのように考えているのか全く伝わってこない。まして、「特定秘密保護法」案の国会審議において担当大臣が少子化相とは!!
秘密法案の内容とはほど遠い大臣が矢面に立って答弁していたことは、議会運営が姑息としか言いようのないように思うが、いや、本当は女性や子どもにも影響があることを示したものであったかもしれない。このような国会の様が、国民の政治的無関心を反映しているとしたら私たち国民一人一人がもっと関心を持たなければならないと思う。
少子高齢化により、社会保障財源のために今年の4月からは8%に増やすとした消費税は、早くも、公共工事の発注増加や、大企業の交際費課税の緩和、法人税率の引き下げなど導入趣旨とは違った方面に使われようとしている。私たち税理士は、職業を通して租税という公権力に携わっているが、公正な行政のあり方や税金の使い道についてまでももっと強く関わることが大事なのかもしれない。 |