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2014年 年頭所感 神奈川は「憲法問題」の講演からスタート!
神奈川税経新人会 会長 益子 道子
2013年6月の総会において只野雅人先生(一橋大学大学院法学研究科教授)に「憲法と選挙制度」というテーマで講演していただいた( 614号で報告)が、2014年は、再度、只野先生に「憲法問題」を講演してもらうことでスタートする。

講演のテーマは「改憲論と憲法の実質の改変 bar03.gif最近の憲法問題について考える」である。
おそらく「国民投票法」や「集団的自衛権」の問題が年末に浮上すると思われたから総会直後に講演をお願いしたところであるが、悲しいかな予想通りの展開である。

例年、神奈川税経新人会の新年会は日頃の税務とは離れたテーマで講演を企画し、できれば新年にふさわしい明るい話題で企画したいところである。しかしここ数年、明るい話題どころか危機感のあるテーマばかりである。新人会は規約で、「憲法に基づく納税者の権利を擁護する」ことを謳っているが、その「憲法が危ない」ので避けては通れない。

先日、「税理士九条の会と平和を守る税理士の会」の共同総会に参加し、元外務省国際情報局長の孫崎氏の講演を聴いた。特定秘密保護法の成立直後でもあり、日本の将来や今後予測されることなど、私個人としては非常な危機感を持っていたので興味があった。

孫崎氏は冒頭、「安倍政権は民主主義の手法に真っ向から挑戦している。こんな政治は戦後なかった」と強調され、「仕事上、情報は大事に扱えと言われたが、情報を出すなと言われた事はなかった」、「TPPは日本経済の略奪」、「すでにファシズムは始まっている」など、ロシアやイランに大使として駐在した経験を踏まえて講演された。

講演の最後に、今回の特定秘密保護法については若者が運動していることに希望が持てる、がんばりましょう!と結ばれた。

「すでにファシズムは始まっている」という講演を聴いてやっぱりそうかと落胆しつつ、何か行動を起こさなくては、という気持ちになった。
孫崎氏は、「戦後69年、独立国にもかかわらず外国軍に出て行ってもらえない日本。イラク戦争の失敗が許されている国、米国に追随して行っただけだから糾弾されない。米国といれば何をやってもOKの国になっている」とおっしゃった。

私も含め、日本人とは?いったいどのような国民なのか。「税と医療を見ればその国がわかる」と昔、先輩から教わったことがある。
税理士は、税を通して、法人の解散や個人事業の廃業など、日本の格差拡大が歴然としているのがよく解かる。
税理士として学習しなければならないことはたくさんある。時間は無いが自分のできることを、意思を持ってコツコツやるしかない。

今朝の新聞に暴走する安倍政権に抗議する若者のデモが報じられていた。各界からも様々な形で抗議行動が起きている。
昨年、神奈川税経新人会の会長に就任したが、会長とは名ばかりで非力ではあるが、会員の協力を得ながら希望をもって行動していこうと思う。

(ますこ・みちこ)

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