論文
> 特集 地域会からの新年の挨拶 目次
明けましておめでとうございます
九州会 事務局長 山本 友晴
政府与党の多数による横暴が続き、今年は消費税の増税の実施、特定秘密保護法の施行が行われる公算が強くなっています。東日本大震災による被災地の復興もまだ道半ばであり、福島の東電の原子力発電所の事故は、収束のめどさえ立っておらず、未だ放射能を出し続けており、再メルトダウンの予測もあるとの事です。

今年は、消費税増税による景気の悪化、電力を中心とするエネルギー問題が中小企業の経営を圧迫して行くことが予想されます。
負の要因が重なっている今、中小企業のパートナーとしての役割の発揮が私たちに求められています。

昨年の例会では、中小企業の経営者が、自らの経営状況を計数化して経営を前向きに進めるアドバイスをして、経営を好転させている会員の報告を受ける学習会をしました。
私たちの自らの事務所の経営にもとても役立つ内容のものでした。このことを足掛かりに顧客へのアドバイス能力を養いたいと思います。

私は、昨年10月に中同協(中小企業家同友会全国協議会)主催の再生エネルギーの視察でドイツ、オーストリアに行って来ました。日本と違って、これらの国はエネルギーを総量で考えており、エネルギーの地消地産を実施しています。ドイツでは電力会社が800社ほどあるそうです。ドイツが脱原発を宣言していることは周知となっていますが、日本のマスコミ報道では、脱原発宣言したドイツは、フランスから原子力で発電した電気を輸入しているとありましたが、ドイツではすでに余剰電力を輸出しているとの事で、日本のマスコミの稚拙さを感じます。オーストリアでは建設した原子力発電所を住民投票で廃炉にしたそうです。ここも再生エネルギーが実施されている国でした。

この視察で多くの事を学びました。これらの国では、再生エネルギーを重視しており、太陽光発電の設置、バイオ燃料の利用促進そして地域暖房が常態です。

また省エネで、耐熱構造の建物の新築、既存住宅の改造が進められており、ドイツのフライブルグ市では集合住宅の大改造が行われていました。
これらの事では行政の姿勢が必要です。原子力発電への莫大な補助金を再生エネルギーへ回すことで、日本の年間23兆円にもなる化石燃料輸入が削減でき、中小企業が潤う循環型の社会となるのではと思います。
熱暖房を電気・化石燃料から再生エネルギーへ転換すること、例えば木質ペレットストーブによる暖房などを行えば、これも地域循環となり、森林の再生、維持ひいては地元雇用につながります。

閉塞感漂うなかですが、再生エネルギー、循環型の経済、農産物の地産地消などで社会の閉塞をプラスに変える要素もあります。
大きくは、国の政策を中小企業重視にするように要望する活動をする事、身近で出来る省エネを行い、中小企業家へのよきアドバイザーとしての役割を発揮する事を今年の抱負とします。

(やまもと・ともはる)

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