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時潮

被災された皆様、関係の皆様に心よりお見舞い申し上げます
事務局長 佐伯 正隆

3月11日に発生した東日本大震災によって、今日現在(25日)判明しているだけでも1万人を超える方々が亡くなられました。行方不明者も1万7千人を超え、各地の避難所では20万人を超える方々が避難生活を余儀なくされています。
亡くなられた方々とそのご家族に深い哀悼の意を表します。

税経新人会の会員さんの安否について

東北税経新人会の役員さんに電話・FAX で連絡をとりましたが全くつながらず、171(災害用伝言ダイヤル)でも確認できませんでした。茨城新人会の古徳正義さん、東京の全国税OBの方への電話で仙台地域の会員さんに人的被害がないことはわかりました。石巻市に2名の会員さんの事務所があり、いずれも海岸近くで津波による被害の心配をしましたが、関信会の会員さんからの連絡で、建物に閉じ込められ2日後に自衛隊に救出された方がおられましたが、人的被害はなかったことがわかりました。

茨城会では古徳正義さんが全会員の安否確認と被災状況を確認するため「皆さん 元気ですか」のFAXニュースを発行、詳細をお送りいただきました。一部、屋内の壁のはがれ、屋根瓦の落下等ありましたが人的被害はありませんでした。
その他の地域で新人会の会員さんで被災にあわれた方がおられましたら事務局までお知らせ下さい。

東京とその近辺の状況

午後2時46分だったのでしょうか、確定申告書の案がまとまり電話でその結果をお知らせしていた時、グラグラと大きく長い揺れがおき事務所の職員全員とともに表に飛び出しました。その後も同じような揺れがおこりました。

手元には、あと10件余りの申告書の点検と自分の申告書の作成があり、テレビや新聞報道を通じて地震の規模、被害の状況などを心配しながらも、仕事を続けざるを得ませんでした。
東京税経新人会の会員さんのなかでは、数時間歩いて自宅や事務所に戻った、事務所に泊まる、夕食が手に入らないなどの状況もありましたが、皆さん元気で被災地の方々の心配をされていました。

大震災と向き合って

自然災害は時にはやってくるものであり誰を攻めるという訳にもいきませんが、「治山治水」は昔から人民が暮らしやすいように国土を治めるという政治の根本理念だったはずですが、この間どこか間違っていたのでは。政治のあり方、財界の経済活動のあり方が、国民の力で復興が進むなかで問われることになると思います。

大地震の翌日12日午後に福島原発で爆発が起き事態はさらに深刻となりました。避難をされた方々の救出、避難生活を余儀なくされている方々への支援に全力を傾ける時に、炉心溶解、建屋損傷という最悪の事態が発生し救援活動にも支障が生じたのではないでしょうか。その後の水道水から乳児の基準値を超える放射性ヨウ素が検出された問題、福島第一原子力発電所3号機で復旧にあたっていた作業員3名の方が作業中に被曝された問題など「安全」「心配はない」という政府の発表にもかかわらず、次々と起こる事故に東電や経済産業省原子力安全・保安院、「専門家」に対し不信を持たれた方も数多くおられるのではないでしょうか。

平成の大合併、自治体職員の削減の影響は?

平成の大合併により、この10年間余りで岩手県では46の町村が21町村に、宮城県では61から22に、福島県では80から46と町と村が大幅に減少しています。また自治体職員の削減とともに非正規化も進んでいます。自治体職員数は平成11年では約320万名であったが、平成22年には約281万名に減少しています。これらが自治体における災害防止、災害時における救助活動などに影響していないのでしょうか。また、これからの復興の取り組みに影響しなければ良いのですが。

復興にむけて

国民誰もが被災者の支援に加わりたいとの思いを強くしていると思いますが、皆が現地に駆けつける訳にもいきませんし、体力や能力も各自それぞれ異なります。それぞれができることで力を合わせたいと思います。

救助と支援活動に国民が力を合わせ、全力を傾ける時に統一地方選挙が始まりました。選挙運動を「自粛せよ」の意見もありますが、救助と支援活動に取り組みながらも、これから、この国・自治体のあり方、原子力発電をどう考えるのか、復興の財源をどうするのか議論を交わすべきではないでしょうか。私たち税の専門家は、税制はどうあるべきなのかなど、意見を述べていかなければなりません。未来に希望を持つことも被災者を励ますことになると思います。

なお、3・4月合併号の発行が遅れましたことを深くお詫びいたします。
震災による交通機関の運行休止や計画停電実施中の3月17日に開催した税経新報編集会議の段取りでは予定通り発行されるはずでしたが、「震災救援募金の取り組みを急いで」との清家理事長の熱い思いにより、その段取りと同封した郵便振替用紙の入手に時間がかかりました。

本誌には「震災募金のお願い」、「全国三役から東北税経新人会全会員にお送りした、被災した方々への『お見舞い』」、「増田善信氏(元気象研究所研究室長、理学博士)より寄せられた『東日本大地震・大津波と福島原発事故について』」も急遽掲載いたしました。ご一読いただくとともに、募金へのご協力を重ねてお願い申しあげます。

(さえき・まさたか:東京会)


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