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時潮

全会員に呼びかけます
税経新人会全国協議会  理事長  清家  裕  

この度、新しく理事長に就任しました大阪会の清家です。会員のみなさんのご指導・ご鞭撻・ご協力の程、何卒よろしくお願いいたします。

みなさんご承知の通り、税経新人会は50余年の歴史を有し、現在会員が1,000 人を超え、租税及び会計に関する専門家の会として発展してきています。そして、新人会は「日本国憲法の国民主権、戦争の放棄、基本的人権の尊重、地方自治の保障など民主主義的原則」を、税制・税務行政・税理士制度に生かすことを基本理念とし、これらの分野で数々の輝かしい実績を残してきました。

新人会の会員はまだまだ少ないですが、税制・税務行政・税理士制度の分野で果たしてきた役割を考えると、国民・納税者にとって「日本の財産」といってもいいのではないでしょうか。私はこの新人会の大役を仰せつかり不安で胸が一杯ですが、こんな光栄なことはないと感じています。新人会の更なる発展のため、力一杯やらせていただきます。
1.私と新人会
37年前、私にとって新人会は憧れでした。「税金で苦しめられている弱い立場の納税者の役に立ちたい」この一念で税理士の道を選びました。この道を実現するための場所を探していたところ、「税経新人会」という会があることを教えてもらい、新人会の会員事務所に転職したのです。そして、新人会が支援する受験研究会で受験勉強をしながら、憧れの新人会税理士を目指しました。

受験途中に、試験制度の改悪を含む税理士法「改正」問題が起こり、税受連(税理士試験制度改悪反対受験者連絡会)の一員として反対運動をやり、試験制度を死守しました。10年間の受験生時代にも、新人会税理士さんに色々な場面で刺激を受け、憧れの新人会への思いは募っていきました。

そして会員となり、新人会が税理士としてのバックボーンになっています。「税務調査にいかに立ち向かうか」「税制はいかにあるべきか」「税理士制度は誰のためにあるのか」これらの自問に、新人会で学んだことが血となり肉となり、税理士としての自信と誇りを得ました。まだまだ自問が続いていますが、「新人会なくして我が税理士人生なし」の心境です。
2.税制・税務行政・税理士制度が直面する大きな課題
弱肉強食の新自由主義経済思想の弊害が税制・税務行政・税理士制度に現われ、新人会の理念と逆行する事態が急速に進んでいます。法人税では極端な減税で税収が大幅に落ち込み、大企業が社会的責任を果たさなくなっています。そして、逆進性のきわめて強い消費税が税収の中心に据えられ、所得税・住民税では応能負担を破壊する「改革」が進み、貧困と格差が酷くなっています。

その結果、確定申告をする納税者が爆発的に増加しました。増加した納税者対策として、課税当局は業務を調査と徴収に特化し、従来おこなってきた指導・相談業務はアウトソーシングへ、窓口は一元化することでそれへの対応を図っています。

そして、課税当局は税理士をアウトソーシングの下請人に、書面添付制度の強化で税理士を当局の補助者に仕立てようとしています。税理士を下請人・補助者に仕立てるために、新たな税理士法「改正」が目論まれています。いま正に、税理士制度が国民・納税者のための制度から、課税当局のための制度に大きく変質させられようとしているのです。

この由々しき事態に対し、「応能負担の税制」「納税者の権利を尊重する税務行政」「納税者の権利を擁護する税理士制度」が、国民・納税者から強く求められています。憲法にもとづく国民の諸権利を擁護することを使命とする新人会が、この事態を打開する大きな役割を果たさなければなりません。
3.新人会の活性化と会員の拡大
弱肉強食の新自由主義路線が世界でも、日本でも強い批判を浴びています。税制・税務行政・税理士制度でも、その転換が求められています。転換をリードできるのは新人会だと思います。新人会には50 余年の歴史と実績が、1,000人の会員の中に蓄積されています。いまこそ、この力を十二分に発揮する時です。貧困と格差の社会から脱却し、平和で豊かな経済社会を実現するために、全ての会員が半歩でも一歩でも前に出ようではありませんか。

私たちは「税経新報」という素晴らしい機関誌を持っています。過去に会外の人から「税経新報」は素晴らしいとの声を聞きました。新人会といえば「税経新報」、絶大な時代がありました。しかし、最近は会員の記事・論文が減り、発行の危機にもあります。税制・税務行政・税理士制度その他のテーマで、書かなければならないことは山ほどあります。

「税経新報」で会内論議を旺盛にやりましょう。「税経新報」で新人会の意見を世に問いましょう。「税経新報」で世の中を転換する一助にしましょう。そして魅力ある「税経新報」で会員の拡大、読者の拡大を大いにやりましょう。

いま税制・税務行政・税理士制度が、すさまじいスピードで変化しています。このスピードに対応しなければなりません。対応策は多くの会員が、会務運営に参加することで解決できます。1,000人が荷を分かち合えば、スピードある対応、質と量を伴った対応ができます。

税制・税務行政・税理士制度の民主的改革を実現する上で、新人会に対する期待は大きいと考えます。新人会はその期待に応えられる蓄積された力量を持っています。必要なのは一緒に考え、一緒に行動することです。全ての会員が半歩でも、一歩でも前に出ることを呼びかけます。

(せいけ ひろし)


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