解散総選挙が目前に迫っている。選挙が始まれば「政権交代」が実現するかどうかマスコミが大騒ぎをするであろう。仮に「政権交代」があっても「構造改革」路線は続けられ、大企業の利潤追求を最優先し国民に格差と貧困を押し付ける政治は大きくは変わらないであろう。
政治の中身が変わらなければ国民の怒りはさらに広がり、短期間のうちに再度の解散総選挙か、政界再編成が行われることとなるのでは。
1993年7月の総選挙で自民党が政権与党の座から降り、日本社会党、新生党、公明党、日本新党など8つの政党・会派の連立による細川内閣が誕生したが、結果は小選挙区制の導入(中選挙区制が続けられていれば、政治状況はこれ程酷くならなかったのでは)と国民福祉税構想(消費税の7%への引上げ案、中座したが次の村山内閣で消費税5%を決定)など、日本の政治は変わらなかった。
憲法の平和主義・国民主権を尊重し「紛争の平和的解決のための国際貢献を行う」、「国民生活の向上を最優先する」。これらを政策の中心に据える政治が望まれる。
アメリカの裏庭と言われる南米で新自由主義からの決別、米軍基地の撤去を掲げ、医療・教育の無料化など国民生活の向上を最優先課題とする政府が次々と誕生してきた。政治・経済状況は異なるが、真の民主革命の経験のない日本でも何時かは財界・アメリカの圧力を撥ね退け、そんな国になれると期待している。
さて、政治の話題ではなく、団塊の世代が定年を迎え交代の時期となってきた。
ともに諸活動に取り組んできたやや年配の方々が職場を退職し始めた。税理士の定年はもう少し先であろうが、「税理士事務所の所長交代」を考える時期ともなった。とっさの判断力、集中力などが徐々に低下している。複数の事務所職員の税理士への道の目途もたち始めた。
交代で一番重要なことは政治と同様その中身である。
小さな事務所では「経営理念」「経営指針」はなく、所長税理士の姿勢が事務所の理念となってしまうが、少なくとも次のことは交代で引継をしたい。
ー「日本国憲法は、国民主権、戦争の放棄、基本的人権の尊重、地方自治の保障など民主主義的原則をうたっている。しかし、いろいろな面においてこれら民主的原則が、ないがしろにされつつある。私たちは、みずからの職業を通じて、憲法にもとづく国民の諸権利を擁護することを使命と考える。」(税経新人会全国協議会・会則より)ー
憲法にもとづく国民の諸権利を擁護することを目指す事務所(税理士)とは、税務調査などで納税者の権利を擁護するために活躍する、これだけで良いとは思わない。
一部納税者のなかには税負担を嫌がる傾向もあるが、それなりの理由がある。国の権力行使に不信感を抱いていたり、税の集め方や税の使途に不満などを持っている。これらの不満を要求に変え、変革の視点を持ってもらう為の努力が求められる。
なかなか難しいものですが、対話を重ねるとともに次のような方法が考えられる。勿論要求を自覚できるような内容で。
事務所ニュースを発行する
ニュースが無理なら時々お知らせを出す
各種の「署名のお願い」をする
政治も事務所も前進するための交代でありたい。 |