素朴な疑問シリーズ |
・「埼玉中小企業家同友会」とはどのような組織ですか |
中小企業家同友会全国協議会の若干の歴史と、三つの目的「いい経営者になろう、いい会社を作ろう、いい経営環境を作ろう」等を説明
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・「ISO」とは何ですか |
国際標準化機構、日本ではJISが取り込んで、各国で一つずつ認証機関を設けている。JISねじと言われるように一つの国際的な規格。民間の認証機関。現在は入札のための経営審査事項の評点アップに使われたりしている。と言うように回答
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印象に残った質問 |
・8.9月号新報88Pの中で「ある意味税理士としての税務からの基本アプローチを封印して」とあるが、封印ではなく、私たちの関与の発展、延長線上にあるのではないか。何故、封印と言うような表現をしたのか |
この質問が一番印象に残っています。ある意味、私の会社である第一経営の大きな壁を意味しているからです。第一経営は、2000年に会計事務所から経営相談所へという戦略を立てて試行錯誤を繰り返し、独自にISOを取得し逆にお客様へISOを提供できるまで引き上げて部門を確立しました。しかし、日常的な関与では相変わらず税額の計算が中心になるために苦労しています。その結論的な今の到達が、税務会計担当は、顧問先の会社を丸ごとつかむヒアリング能力を身につけ、ソフトで提供できる経営分析ツールの説明ができ、決算でお客様の課題抽出(簡便なSWOT分析=強み弱み分析)を行い、次期の事業計画、簡便な予算の提案までを基本サービスにしようと進めています。

そのために能力開発をどのように進めるか頭を痛めているのが実情です。そこまでを基本サービスとしても、指針作りはまったくできません。その程度では作れないのです。やはり、これも税務会計から離れて、経営に対する一定の基礎知識とお客様をつかみ力を引き出し、纏め上げて作り上げる力が必要です。税務会計のAの力量が経験ある税理士であるならば経営関与のAの力量も、お客様に実際に理論ではなく、ISOの取得支援ができる、経営指針作りができる力量が必要とされるのです。

たまたま私は、現在の第一経営が5つの事務所を持ち100人からの企業になっていますので、経営指針を作り、ISOの取得にも一貫して加わって取得に参加をしました。税理士と言う仕事は多くの所員に任せて経営関与の知識とスキルを磨いてきたと言えます。経営者であったためにできたといっても良いのではないでしょうか。それが前述の「封印」という表現になっています。つまり「専門家」レベルをどのように作り上げるかレベルをどのように捉えるかではないでしょうか。
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・「ISOは、コストが高く、資料作りに時間がとられ、本質的なものを見失うデメリットがあるのではないか」 |
これも厳しい指摘でした。いわゆるISOは取ったけれども維持が大変で効果も実感できないというものです。確かに多くのコンサルタントが取らせるだけになっているのは事実です。しかしながら会計事務所がお客様に提供するとそのような関わりは許されないというのはたやすく理解できると思います。大元の信頼が崩れてしまうからです。ISOも自社の目的を鮮明にして「改革」をしっかりと目的意識化するともともとが試されずみの経営システムですので中小企業は大きな変化を勝ち取れます。ただ取ったのではもったいないと言うべきです。第一経営では、それぞれの企業の経営理念や現状把握を十分にしてその解決や理念をしっかり掲げることを柱にして取得を目指します。そこに質を変えお客様の信頼に応えられるように工夫をしています。
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ほっとする感想 |
聞いていて、うちでもやれるところからやれそうだな。できるところから一歩一歩決算発表会を取り組んでみよう。 |
お客様の規模が小さくてこのままではうちの事務所も厳しい。コンサルタントなどと難しく考えないでやってみるのも手かなと感じた。 |
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全体的にどこから聞いたらいいのかそこも良く分からないと言った雰囲気でした。しかし、こんなことをやっている事務所や関わっている税理士がいてツールがあるならできそうだ、経営関与を上手に顧問先に提供してみたいというような関心や手応えを感じるような雰囲気でした。
(ぬまた・みちたか) |