与党税制調査会の平成18年税制改正大綱では、定率減税について「18年度においては、経済状況の改善等を踏まえ、廃止する」としているが、定率減税は、橋本内閣が消費税の5%への税率引上げを行ったことなどにより日本経済が大変な不況に陥った景気対策として、小渕内閣において法人税率の34.5%から30%への引き下げ、所得税の最高税率の50%から37%への引き下げ、とともに恒久的減税として実施したものである。
大企業は過去最高の利益を上げている一方、サラリーマンの年収は平成9年から減少傾向となり、この5年間では減少の一途をたどっている。
このような経済状況のなかでは、充分な担税力を蓄えてきている法人や高額所得者に、その力に相応しい税負担を求めるべきであり、法人税率の引上げや所得税の最高税率の見直しを検討すべきである。
定率減税の廃止は、家計に多大の負担を強いることとなり、特に中低所得階層に対する課税強化となり、ひいては個人消費全体を冷え込ませ、景気を悪化させることになる。日本経済の全面的な回復のためにも定率減税は廃止すべきではない。 |