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時潮

時潮
さいたま全国研究集会を軸に魅力ある新人会活動の展開を
理事長 土屋 信行
会員のみなさん、読者のみなさん、あけましておめでとうございます。
税経新人会は「憲法にもとづく国民の諸権利を擁護することを使命」(会則)として活動しています。この理念のもと、今年も次の点に特に力を入れてがんばっていきたいと思います。どうぞよろしくおねがいします。

(1)税務行政に対する研究を深め、経験交流や意見表明を積極的に行います
新国税通則法の施行から6年が過ぎました。
全国の法人の調査件数は、施行前の平成20事務年度からの4年間は146千件→139千件→125千件→129千件でしたが、施行された平成24事務年度に93千件に落ち込み、その後は91千件→95千件→94千件→97千件→98千件で推移しています。じりじりと件数は増やしていますが、施行前の件数は回復できないでいます。(国税庁HP より)

そして、この調査件数を補うために「任意の提出をお願いするもの」「行政指導」「調査」等の文書を郵送して税務署に呼び出しをかけています。

調査件数が減った原因のひとつに事前手続きが考えられますが、事前手続きを省略し効率的に「調査」するためにこのような方法をとっています。そして非違事項が見つかった途端に実地の調査に移行する例もあります。

事前手続きを法令どおりに行わせることは極めて重要です。
終了手続きも引き続き問題になっています。税務調査は調査結果の内容の説明をもって終了します。納税者が従わなければその内容で更正するしかありません。その後は新たな事実がみつからない限り調査を継続することはできません。そのため、終了手続きに慎重になって調査がなかなか終わらなかったり、調査結果の内容の説明をあいまいにしたまま修正申告の慫慂を行い、それに従えばそれで終わるが、従わない場合は調査を続けるような事例があります。終わりの手続きもきっちり行わせることが大切です。

法令に根拠のない質問応答記録書の強要も増えているようです。
税理士にとって一番の関心は調査対応でしょう。さらに研究を深め、経験交流や意見表明を積極的に行っていきましょう。

(2)消費税増税・複数税率・インボイス制度の中止を求めます
今年の10月には消費税増税と複数税率の導入が予定されています。また、2023年にはインボイス制度の導入が予定されています。
税経新人会は憲法に定める応能負担の原則を守る立場から、消費税の増税に反対しています。また、中小企業に大きな事務負担を強いる複数税率、その上に免税事業者を取引から排除するインボイス制度の導入にも反対します。
今年は4月に統一地方選挙、7月には参議院選挙が行われます。選挙戦の中でも争点になってくると思われますが、中止に追い込めるよう力を尽くしていきましょう。

(3)「税経新報」に掲載されているひとつひとつの論文を大切にし、発展させます
「税経新報」には、会員のみなさんの英知を結集した論文や事例が多数掲載されています。税務調査事例や対策をはじめ、「共謀罪」法、国税犯則取締法の国税通則法取り込み、消費税増税の危険性についても深い分析がされた優れた論文が多数掲載されています。
掲載後もいろんな方向から意見・感想を募って肉付けするとともに、例会等でも「税経新報」をおおいに活用し、力にしていきましょう。

(4)沖縄全国研究集会の成功を力に税経新人会の組織建設、組織拡大をすすめます
昨年の第54回沖縄全国研究集会は、沖縄県知事選挙告示日の翌日からという激動の中で開催され、264 名の参加により大きな成功をおさめることができました。オプショナルツアーでは辺野古に出かけ、見学させていただくとともに全国研究集会で集まったカンパをお渡しし激励しました。その後投開票された知事選挙、那覇市長選挙では、辺野古新基地建設反対の知事、市長が当選しました。

しかし、会員数は微減傾向から脱することができていません。会員のやりたいこと、学びたいことから出発して、楽しく勉強になり仲間を誘いたくなるような例会等を引き続きめざす中で、会員を増やしてしていきましょう。

今年の全国研究集会は9月13日(金)〜14日(土)にさいたま市でおこなわれます。都市型の全国研究集会で多くの参加者が見込まれます。会員自身が深く学び、大いに交流するとともに、会外の多くのみなさんに新人会の魅力を知っていただける機会にしていきましょう。

(つちや・のぶゆき:関信会)

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