主張・提言

特集 第50回東京浅草全国研・速報
特別決議
中止せよ!更なる消費税増税と法人税率の引き下げ
税経新人会全国協議会 第50回東京浅草全国研究集会
安倍政権は社会保障財源のためとして、多くの国民の反対にもかかわらず今年4月から消費税率を8%に引き上げた。それから数カ月後、いわゆる「骨太方針」として、国際競争力強化のため法人実効税率を数年間で20%台まで引き下げると表明した。果たして大企業の法人税の負担は高いのだろうか?

研究開発減税・受取配当益金不算入・外国税額控除等により、大企業経常利益上位100社の法人税実効税率は平均33.4%で中堅法人の負担率より7%低くなっている。超大企業の税負担は決して高くはありません。トヨタ自動車が5年間法人税を納めていなかった事実が、何よりこの指摘の正しさを雄弁に物語っている。

法人税減税の財源として狙われているのは、事業税の外形標準課税の適用法人の拡大・中小法人の軽減税率の廃止・配偶者控除の廃止等であり、税制の大原則である応能負担原則に真っ向から反するものである。外形標準課税では賃金、家賃、利息の各支払額も課税対象となり、支払った費用に税が課せられ、労働集約型の中小企業にとってはいっそう負担が重くなり、欠損会社に課税を強いる担税力を無視した税制である。また、中小企業への軽減税率は大会社と中小会社の負担力調整として必要な制度である。

これらの「改悪案」には、現在多くの中小企業団体が反対を表明しており、配偶者控除についても消費税増税と併せ家計圧迫への怒りの声が出ている。

消費税導入後24年間、消費税収264兆円、法人3税の減収246兆円、法人減税の財源としての消費税導入が数字ではっきりと示されている。法人税減税のための消費税増税という消費税の性格がますます明らかとなった。

これら一連の「改悪案」は、大衆課税の更なる強化と所得の再配分を否定するもので、憲法に規定する基本的人権を税制面から剥奪することになり、集団的自衛権を閣議決定した暴挙と匹敵するものである。

税制面で国民の権利擁護を目的とし活動してきた税経新人会として、一連の改悪を止めさせるため奮闘しよう。